ああら、いきなりハードな曲聴くのねぇって感じで今日も始まりました
下の階からロックのビートがズムズム響いてくる
どうやらヴォーカルに合わせて口ずさんでいるらしい声も微かに聞こえてくる
でっ、分かったことがある
彼の場合、ヴォーカルに合わせて口ずさんでるうちに、自分も同じ声が出せるような気になってしまうらしい。ヘッドホンを装着してるから自分の声は聞こえないし…。
その結果、
『ばぢらべぎゃらばぬ゛びょぜぢゃらむ゛ぃぃぺぃぃっ』
てなことになっちゃうらしいのだ
どうかそのまま、ヘッドホンを装着したまま、客観性には目覚めないでいておくれ
屋根裏に潜み(たまたま上の階に住んでるだけ)
『歌え!音楽に選ばれし天使よ!』(ん?見放されし堕天使、のほうが正しいか…?)
『何も恐れることはない!』(ちょっとは恐れたほうがいいかも…)
と彼の歌が聞こえてくるのを毎日心待ちにしている…。
とんだオペラ座の怪人である…
私は、本物のオペラ座の怪人のように、彼を超一流のシンガーに育てることはできないが(当たり前である!)、彼のためにしてあげようと考えていることが一つある。
それは、いつの日にか彼が己の寿命を全うし、地獄に至った時、
閻魔大王に対し奉り、彼の減刑嘆願をしてあげる
つもりなのである。
かの芥川龍之介によれば、極悪非道のカンダタが「一匹の蜘蛛を踏み殺さなかった」その一事に免じて、お釈迦様は救いの蜘蛛の糸を垂れ給うたというではないか。
一匹の蜘蛛ならぬ、歳古りた一匹の女怪をいやいやいやいや、もとい、歳を重ねた一人の女性を、毎日毎日愉しませてくれるのである。
そこには何の意図も打算も、作為も欲もなく、ただただ彼の無垢なる本能の発露があるばかりである。
カンダタが「蜘蛛を踏み殺さなかった」ことを覚えてすらいなかったように、下の青年も、上の階の住人が笑い声を抑えつつ毎日毎日愉しんでいようとは、知る由もなかろう。それでいいのだ(あったりまえだ、知られたらマズイじゃないか)。
救いの蜘蛛の糸を無にしたのはカンダタの業のなせるわざ。下の青年が私の減刑嘆願を活かすか無にするか、それも彼次第である
その頃私は
血の池でシンクロナイズド・スイミングに励んでいるか、
針の山でトレッキングにハマっているか、
どちらかだと思うから呼び出してちょうだいね…
下の階からロックのビートがズムズム響いてくる
どうやらヴォーカルに合わせて口ずさんでいるらしい声も微かに聞こえてくる
でっ、分かったことがある
彼の場合、ヴォーカルに合わせて口ずさんでるうちに、自分も同じ声が出せるような気になってしまうらしい。ヘッドホンを装着してるから自分の声は聞こえないし…。
その結果、
『ばぢらべぎゃらばぬ゛びょぜぢゃらむ゛ぃぃぺぃぃっ』
てなことになっちゃうらしいのだ
どうかそのまま、ヘッドホンを装着したまま、客観性には目覚めないでいておくれ
屋根裏に潜み(たまたま上の階に住んでるだけ)
『歌え!音楽に選ばれし天使よ!』(ん?見放されし堕天使、のほうが正しいか…?)
『何も恐れることはない!』(ちょっとは恐れたほうがいいかも…)
と彼の歌が聞こえてくるのを毎日心待ちにしている…。
とんだオペラ座の怪人である…
私は、本物のオペラ座の怪人のように、彼を超一流のシンガーに育てることはできないが(当たり前である!)、彼のためにしてあげようと考えていることが一つある。
それは、いつの日にか彼が己の寿命を全うし、地獄に至った時、
閻魔大王に対し奉り、彼の減刑嘆願をしてあげる
つもりなのである。
かの芥川龍之介によれば、極悪非道のカンダタが「一匹の蜘蛛を踏み殺さなかった」その一事に免じて、お釈迦様は救いの蜘蛛の糸を垂れ給うたというではないか。
一匹の蜘蛛ならぬ、歳古りた一匹の女怪をいやいやいやいや、もとい、歳を重ねた一人の女性を、毎日毎日愉しませてくれるのである。
そこには何の意図も打算も、作為も欲もなく、ただただ彼の無垢なる本能の発露があるばかりである。
カンダタが「蜘蛛を踏み殺さなかった」ことを覚えてすらいなかったように、下の青年も、上の階の住人が笑い声を抑えつつ毎日毎日愉しんでいようとは、知る由もなかろう。それでいいのだ(あったりまえだ、知られたらマズイじゃないか)。
救いの蜘蛛の糸を無にしたのはカンダタの業のなせるわざ。下の青年が私の減刑嘆願を活かすか無にするか、それも彼次第である
その頃私は
血の池でシンクロナイズド・スイミングに励んでいるか、
針の山でトレッキングにハマっているか、
どちらかだと思うから呼び出してちょうだいね…