土曜日にリナが『ちはやふる』のコミックスを貸してくれたのをきっかけに、百人一首のおさらいをしてみた。
夜、お布団に入って寝付くまでの間に『あ行』から順番に思い出していくことにする。
……。
秋の田の刈穂の庵の苫をあらみ吾が衣手は露に濡れつつ
よし、次…。…ん~っと…。
明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな
よし、次…。…んん~。
あしびきの……
天つ風…
天の原…
…、…、…、…、よぉし、次…。っっっとぉ…。
「あ・ら…、あら…、あらし…、あ・ら・し……ぇえ~っと…」
ア~ラシッ ア~ラシッ ア~ラシィ~
ちっ違ぁ~うっ…
「あ・ら…、あら…、あらし…、あ・ら・……ら…、あら…」
あら楽し思ひは晴るる身は捨つるうき世の月に懸る雲なし
違う、絶対違う、それは大石内蔵助…、なんで今頃…
そうだ
嵐吹く三室の山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり
だ、そうだよ………はぁぁ~…
そうやって、ちょっとずつゆっくり思い浮かべておさらいをしているうちにだんだん眠りに入っていく。そして半分眠りながらもまだおさらいは続く。
まだ完全には眠っていない意識(=私本体)と“脳みそ様”との掛け合いが始まる。
『い段』『お段』、そして『か行』。
「か、か…か、か、……んん~~…か、かぜ…?…か・ぜ…」
風誘ふ花よりもなほ我はまた春の名残をいかにとやせむ
違う、違うってば…、それは…それは浅野内匠頭だよぉ…、まだ11か月も先の話でしょ…ぉ
そうやって邪魔されながら、なおもおさらいを続けようとする健気な私本体…
「ねぇねぇねぇ、“か”だとさ、ね、ね、ね…“かげろう”だよ…“蜻蛉日記”の作者って誰だっけ…」(←脳みその囁き)
「…ん゛ぁ……?ミチツナノハハだよぉ……。だからぁ…」
『き段』『こ段』『さ行』……。
「さ…さ、さ……さ…」
「“さ”でしょ…“さ”でしょ… ほら、あれだよアレ、“更級日記”…。作者は誰だっけ…」
「……っそぉ……タカスエさんの娘さんだよ…っ」
…………
瀬を早み岩にせかるる滝川の……
田子の浦にうち出でて見れば白妙の……
うん、うん、そうだね…そうだね……
「…つ、つ、つ…ん~…」
露と落ち露と消えにしわが身かな難波のことも夢のまた夢
…それは豊臣秀吉だよっっ…
月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月
…あのよぉ…
そのあとも“脳みそ様”は次々といろんなものを繰り出してくる。
“かきつばた”“みやこどり”“山上億良”“大海人皇子”まで出されて、ついに『神皇正統記』のさわりまで出された…。
なんで… なんで…
そうやって自分の“脳みそ”に邪魔されながらもなんとか『わ行』まで行き着いた。
行き着いたが、すっかり目が覚めてしまっていた。
もういい、もう寝ない
とりあえず覚えていそうなものを書き出してみよう、とお布団から出る。紙を広げて『あ行』から順に書き出してみたら……たったの三十二首…
百首までの道は遠い…
夜、お布団に入って寝付くまでの間に『あ行』から順番に思い出していくことにする。
……。
秋の田の刈穂の庵の苫をあらみ吾が衣手は露に濡れつつ
よし、次…。…ん~っと…。
明けぬれば暮るるものとは知りながらなほ恨めしき朝ぼらけかな
よし、次…。…んん~。
あしびきの……
天つ風…
天の原…
…、…、…、…、よぉし、次…。っっっとぉ…。
「あ・ら…、あら…、あらし…、あ・ら・し……ぇえ~っと…」
ア~ラシッ ア~ラシッ ア~ラシィ~
ちっ違ぁ~うっ…
「あ・ら…、あら…、あらし…、あ・ら・……ら…、あら…」
あら楽し思ひは晴るる身は捨つるうき世の月に懸る雲なし
違う、絶対違う、それは大石内蔵助…、なんで今頃…
そうだ
嵐吹く三室の山のもみぢ葉は龍田の川の錦なりけり
だ、そうだよ………はぁぁ~…
そうやって、ちょっとずつゆっくり思い浮かべておさらいをしているうちにだんだん眠りに入っていく。そして半分眠りながらもまだおさらいは続く。
まだ完全には眠っていない意識(=私本体)と“脳みそ様”との掛け合いが始まる。
『い段』『お段』、そして『か行』。
「か、か…か、か、……んん~~…か、かぜ…?…か・ぜ…」
風誘ふ花よりもなほ我はまた春の名残をいかにとやせむ
違う、違うってば…、それは…それは浅野内匠頭だよぉ…、まだ11か月も先の話でしょ…ぉ
そうやって邪魔されながら、なおもおさらいを続けようとする健気な私本体…
「ねぇねぇねぇ、“か”だとさ、ね、ね、ね…“かげろう”だよ…“蜻蛉日記”の作者って誰だっけ…」(←脳みその囁き)
「…ん゛ぁ……?ミチツナノハハだよぉ……。だからぁ…」
『き段』『こ段』『さ行』……。
「さ…さ、さ……さ…」
「“さ”でしょ…“さ”でしょ… ほら、あれだよアレ、“更級日記”…。作者は誰だっけ…」
「……っそぉ……タカスエさんの娘さんだよ…っ」
…………
瀬を早み岩にせかるる滝川の……
田子の浦にうち出でて見れば白妙の……
うん、うん、そうだね…そうだね……
「…つ、つ、つ…ん~…」
露と落ち露と消えにしわが身かな難波のことも夢のまた夢
…それは豊臣秀吉だよっっ…
月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月
…あのよぉ…
そのあとも“脳みそ様”は次々といろんなものを繰り出してくる。
“かきつばた”“みやこどり”“山上億良”“大海人皇子”まで出されて、ついに『神皇正統記』のさわりまで出された…。
なんで… なんで…
そうやって自分の“脳みそ”に邪魔されながらもなんとか『わ行』まで行き着いた。
行き着いたが、すっかり目が覚めてしまっていた。
もういい、もう寝ない
とりあえず覚えていそうなものを書き出してみよう、とお布団から出る。紙を広げて『あ行』から順に書き出してみたら……たったの三十二首…
百首までの道は遠い…