日曜日、19時になろうとする頃の渋谷駅。
ホームに出る階段を上がっているときにソレを見た。
背の高い若い男性の後ろ姿。
デブではない。なかなか良さそうな骨格だ。もしかしたらヨーロッパ系の外国人かな、とも思ったほど。
襟足を刈り上げたちょっとオシャレな髪形、黒革の短いジャケット。
人混みに紛れてその男性の数段下を上がりながら、
「なんか、面妖じゃな…」
同時に階段を上がって行く有象無象から頭一つ分、いや肩から上が抜きんでて見えるその男性。
顔は見えないが、背が高くて骨格も悪くなさそう、髪形も着ているものも悪くない。どころか“スタイリッシュ”と評して上げてもいいかもしれない。だが、
「う゛~ん…、面妖じゃ…」
ほどなくしてホームにあがり、少し離れてその男性の後ろを同じ方向に進んでいく。
悪くない。おかしくない。人目を引く後姿。でも、
「面妖じゃ…何かが、おかしい…」
そして、周りを歩く人の数が幾分少なくなり、その男性の全身が見えた。
「…… わぁかぁったぁ…」
内股
だっ。
パンツをブーツインしているその足元が内股なのだった。
本人にその気はないのかもしれないが、右に左に尻を振り、その尻の振りに合わせて全身が右に左にくねる。
スレンダーな長身ゆえその有様はまるで
うなぎが縦に
歩いているような印象である。
うんにょうんにょうんにょ…とくねりながら彼は近くの車両に乗り込んで行った。
あ~、久しぶりに面白ぇモン見た…
…え…?…顔…?その男の顔…?
見ないよ。
内股男がどんな顔してようがどうでもいいもん。
というより、内股である、という時点ですでに興味の対象外だからね、顔なんぞに用はない。
ホームに出る階段を上がっているときにソレを見た。
背の高い若い男性の後ろ姿。
デブではない。なかなか良さそうな骨格だ。もしかしたらヨーロッパ系の外国人かな、とも思ったほど。
襟足を刈り上げたちょっとオシャレな髪形、黒革の短いジャケット。
人混みに紛れてその男性の数段下を上がりながら、
「なんか、面妖じゃな…」
同時に階段を上がって行く有象無象から頭一つ分、いや肩から上が抜きんでて見えるその男性。
顔は見えないが、背が高くて骨格も悪くなさそう、髪形も着ているものも悪くない。どころか“スタイリッシュ”と評して上げてもいいかもしれない。だが、
「う゛~ん…、面妖じゃ…」
ほどなくしてホームにあがり、少し離れてその男性の後ろを同じ方向に進んでいく。
悪くない。おかしくない。人目を引く後姿。でも、
「面妖じゃ…何かが、おかしい…」
そして、周りを歩く人の数が幾分少なくなり、その男性の全身が見えた。
「…… わぁかぁったぁ…」
内股
だっ。
パンツをブーツインしているその足元が内股なのだった。
本人にその気はないのかもしれないが、右に左に尻を振り、その尻の振りに合わせて全身が右に左にくねる。
スレンダーな長身ゆえその有様はまるで
うなぎが縦に
歩いているような印象である。
うんにょうんにょうんにょ…とくねりながら彼は近くの車両に乗り込んで行った。
あ~、久しぶりに面白ぇモン見た…
…え…?…顔…?その男の顔…?
見ないよ。
内股男がどんな顔してようがどうでもいいもん。
というより、内股である、という時点ですでに興味の対象外だからね、顔なんぞに用はない。