「サエちゃん、毎朝何時頃にお家を出て電車に乗るの?」
彼女は自宅から遠い女子校の中等部に通っている。
「だいたい6時半か6時45分までには家を出て7時前の電車に乗るの」
「そう、早いのねぇ…。リナはまだ寝てるでしょ」
「うん。起こされるけどぉ、基本的に“二度寝”…。うちから学校まで普通に歩いて5分
」
遠くから電車で通うサエちゃんも5分のリナも、8時15分には教室に入っていなければならないんだって。
小・中学生の朝は早い…
いつものように脚のストレッチをしてからバー・レッスン。
グラン・プリエ、バットマン・タンジュとアンシェヌマンは進んでいき、ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テール。
「ドゥミ・ロン・ドゥを正確に…。しっかり90度」
うん、よしよし。二人ともちゃんと半円を描けている。
バットマン・フラッペ。
「ルティレするところはしっかりお膝を上げて…っ。内腿を早く引き上げる…。内腿…」
うん、リナは大分スピードについて来られるようになったね。乱暴な動きもしないし。よしよし。
終盤のドゥーブル・フラッペのアン・クロワでサエちゃんはちょっと苦戦。うん、このスピードのドゥーブルはまだあんまり練習したことがないものね。ひとつずつきちんと練習していけば出来るようになるからね、大丈夫。
さてアダージョ。
「いい?ア・ラ・スゴンドからフェッテするところはね、ア・ラ・スゴンドの脚をうごかしちゃだめよ。軸脚のターン・アウトをしっかり進めるとア・ラ・スゴンドに上げてる脚は自然についてきてデリエールになるから…。ほいっとひっくり返しちゃダメよ」
と見本を見せながら説明を。
「…ん…
」
二人とも落ち着いてきちんと出来るようになった。
フェッテのところは…、そう…、そう…、いいわよ…、脚の高さが下がらなかったし、軸脚がちゃんと先行したし…、よしよし…
はい、じゃ5番ポジシオンからスプリッツ。
「今日は一首なしね」
「あら、そうなの?」
「うん。でもカンブレまで全部ちゃんとやるよ
」
おお、いいねぇ
バー・レッスンが終わってちょっと休憩、そしてセンター・レッスン。
バットマン・タンジュから。
「サエちゃん、アームスがね、手首から先がブラさがっちゃうのはダメよ。手のひらに宝石をのっけて、それをこぼさないように…っていうイメージで…」
「はい」
グラン・バットマンをしてタン・ルヴェの練習。
それからアッサンブレのアンシェヌマン。
まずは二人一緒に練習。うん、順番はね、それでいいんだけどね…。
「あのね、パ・ドゥ・シャのタイミングが違うんだよ。先に動かす脚が上がりきってそれが下がり始めてから、後から動かす脚が上がるんじゃぁ、その脚が上がった時には先行した脚はもう着地してるでしょ。それじゃぁカックンカックンて動きにだけになっちゃう。いい…?はじめの脚が上がりきる前に素早く後からの脚を引き上げるの。そうすると宙に浮けるでしょ」
と説明しながら見本を見せる。両脚とも床を離れている瞬間がなくちゃね、と。
「……ん…
」
はい、それじゃぁ一人ずつ
そう、よし、大分良くなったわね。
ほら、足音が小さくなったでしょう
落っこちなくなったからよ、ちゃんと中に浮いて着地できるようになったから。
次は先週練習したピルエットのアンシェヌマン。
まずは右側を交代に繰り返して練習。
「サエちゃん、お顔が下をむいたらダメよ。視線を上げて」
左側も交代で…。
あぃやぁ~、やっぱりリナはアームスが……
「これ…っ。せっかくいい回転が出来てんのになんでそのアームスが“いらっしゃいまし”なんだよ…
」
「ぬはははは……
」
「いいかい…。3回転めは回転のスピードを上げるけど、アームスをア・ラ・スゴンドにスパンと開くことでブレーキをかけるんだよ」
と何度か見本を見せる。
「……ん…
」
はい、ふたりとももう一度
おっ、よし、良くなった
最後にグラン・ジュテを右に左に繰り返し繰り返し跳んでレッスン終了。
「今日はバー・レッスンから全部出来たから身体が軽かった
」
とサエちゃん。
そうだね、いつもは学校が終わって駆け付けるからバー・レッスンの後半からになっちゃうもんね。
ふたりとも、良く動いたねぇ。また来週も楽しいレッスンしましょう
彼女は自宅から遠い女子校の中等部に通っている。
「だいたい6時半か6時45分までには家を出て7時前の電車に乗るの」
「そう、早いのねぇ…。リナはまだ寝てるでしょ」
「うん。起こされるけどぉ、基本的に“二度寝”…。うちから学校まで普通に歩いて5分

遠くから電車で通うサエちゃんも5分のリナも、8時15分には教室に入っていなければならないんだって。
小・中学生の朝は早い…
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いつものように脚のストレッチをしてからバー・レッスン。
グラン・プリエ、バットマン・タンジュとアンシェヌマンは進んでいき、ロン・ドゥ・ジャンブ・パール・テール。
「ドゥミ・ロン・ドゥを正確に…。しっかり90度」
うん、よしよし。二人ともちゃんと半円を描けている。
バットマン・フラッペ。
「ルティレするところはしっかりお膝を上げて…っ。内腿を早く引き上げる…。内腿…」
うん、リナは大分スピードについて来られるようになったね。乱暴な動きもしないし。よしよし。
終盤のドゥーブル・フラッペのアン・クロワでサエちゃんはちょっと苦戦。うん、このスピードのドゥーブルはまだあんまり練習したことがないものね。ひとつずつきちんと練習していけば出来るようになるからね、大丈夫。
さてアダージョ。
「いい?ア・ラ・スゴンドからフェッテするところはね、ア・ラ・スゴンドの脚をうごかしちゃだめよ。軸脚のターン・アウトをしっかり進めるとア・ラ・スゴンドに上げてる脚は自然についてきてデリエールになるから…。ほいっとひっくり返しちゃダメよ」
と見本を見せながら説明を。
「…ん…
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二人とも落ち着いてきちんと出来るようになった。
フェッテのところは…、そう…、そう…、いいわよ…、脚の高さが下がらなかったし、軸脚がちゃんと先行したし…、よしよし…
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はい、じゃ5番ポジシオンからスプリッツ。
「今日は一首なしね」
「あら、そうなの?」
「うん。でもカンブレまで全部ちゃんとやるよ
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おお、いいねぇ
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バー・レッスンが終わってちょっと休憩、そしてセンター・レッスン。
バットマン・タンジュから。
「サエちゃん、アームスがね、手首から先がブラさがっちゃうのはダメよ。手のひらに宝石をのっけて、それをこぼさないように…っていうイメージで…」
「はい」
グラン・バットマンをしてタン・ルヴェの練習。
それからアッサンブレのアンシェヌマン。
まずは二人一緒に練習。うん、順番はね、それでいいんだけどね…。
「あのね、パ・ドゥ・シャのタイミングが違うんだよ。先に動かす脚が上がりきってそれが下がり始めてから、後から動かす脚が上がるんじゃぁ、その脚が上がった時には先行した脚はもう着地してるでしょ。それじゃぁカックンカックンて動きにだけになっちゃう。いい…?はじめの脚が上がりきる前に素早く後からの脚を引き上げるの。そうすると宙に浮けるでしょ」
と説明しながら見本を見せる。両脚とも床を離れている瞬間がなくちゃね、と。
「……ん…
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はい、それじゃぁ一人ずつ
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そう、よし、大分良くなったわね。
ほら、足音が小さくなったでしょう
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落っこちなくなったからよ、ちゃんと中に浮いて着地できるようになったから。
次は先週練習したピルエットのアンシェヌマン。
まずは右側を交代に繰り返して練習。
「サエちゃん、お顔が下をむいたらダメよ。視線を上げて」
左側も交代で…。
あぃやぁ~、やっぱりリナはアームスが……
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「これ…っ。せっかくいい回転が出来てんのになんでそのアームスが“いらっしゃいまし”なんだよ…
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「ぬはははは……
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「いいかい…。3回転めは回転のスピードを上げるけど、アームスをア・ラ・スゴンドにスパンと開くことでブレーキをかけるんだよ」
と何度か見本を見せる。
「……ん…
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はい、ふたりとももう一度
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おっ、よし、良くなった
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最後にグラン・ジュテを右に左に繰り返し繰り返し跳んでレッスン終了。
「今日はバー・レッスンから全部出来たから身体が軽かった
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とサエちゃん。
そうだね、いつもは学校が終わって駆け付けるからバー・レッスンの後半からになっちゃうもんね。
ふたりとも、良く動いたねぇ。また来週も楽しいレッスンしましょう
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