少し多忙で記事のアップが出来ませんでした。
前の記事の拍手が20になったら何か書かなければと自分に縛りを掛けていたのですが、おかげ様で拍手が20に達したので・・・。
とは言う物の時間が無いので、「ひろのひとりごと」さんのコメント欄でやり取りした内要を流用しちゃいます。(手抜きでゴメンナサイ)
内容的には前記事の「沈没船」の解説です。
■ 実質2%の経済成長は可能か ■
政府は実質2%の成長を目指していますが、これはアメリカの経済成長率にほぼ等しい。アメリカは人口動態は日本と比較にならない程健全で、若者も多く、出生率も低下していません。そして、イノベーションが起きやすい社会で、労働力の流動性も高く、経済の効率が非常に高い。
このアメリカですら、成長率が2013年度で2.2%。
2%の経済成長率は資本主義の社会で、競争によって生産性が向上する事により自然に達成される成長率とも言われる事も有りますが、一方、少子高齢化による福祉コストの拡大は、経済成長率のマイナス要因になります。
日本ではプラス・マイナスが相殺する形で、1%以下の成長率になりつつありますが、2025年までの長期予測では民間のシンクタンクなどは1%からマイナスの成長を予測する所が多い様です。
現在の状況が続けば、20年後、あるいはそれ以降に日本の財政は実際に破綻する可能性が指摘されています。
■ 借金は元本が増えると返す事が難しくなる ■
財政の継続性の大きく作用する要因として国債金利も重要なファクターとなります。「国債金利>名目GDP成長率」では国債負担は拡大し続けます。そこで国債金利を強引に押し下げる政策が日銀の間接的な大量買い入れによる金利抑制です。これにより現在の日本国債金利は市場が機能する限界まで下がっています。
この様な状況下で国債の持続性を確保する為には、先ず赤字国債を減らす事が大切だとされています。借金をした事があれば分かりますが、元本が拡大すると借金を返す事は大変になります。ですから、元本をなるべく拡大しない為に緊縮財政を取り、プライマリーバランスを改善する事が重要視されます。元本が増えなければ、「国債金利<名目GDP成長率」の関係が成り立てば債務残高は減少に転じます。
■ 緊縮財政と名目成長のジレンマ ■
緊縮財政を選択すると経済成長率は下がりますから、「国債金利<経済成長率」の関係が悪化してしまいます。増税しても同様に経済成長率は低下します。
成長力の落ちたヨーロッパ諸国も同様ですが、財政を圧縮しながら経済成長を達成する事が難しいというジレンマに陥っています。
特に日本は高齢化によって福祉コストが勝手に拡大して行きますから、しわ寄せで公共投資はどんどん減額されて行きます。
要は、日本の成長率は何かイノベーションでも発生しない限りマイナスに落ちる可能性が高いのです。
■ 日銀の出口戦略で起こり得る混乱 ■
この状況で異次元緩和で2%のインフレ率を継続的に達成する事は相当難しのですが、では2%のインフレ率が達成された場合はどうなるか・・・。
約束通りであれば日銀は異次元緩和を縮小(テーパリング)しなければなりません。しかし、日本国債市場で日銀の存在は大きくなり過ぎましたkら、日銀のテーパリングが予測された時点で日本国債市場は動揺し、金利が上昇します。日銀は慌てて出口戦略を諦める事になります。
こんな事を何度か繰り返すうちに、国内の金融機関も日本国債を手放す欲求が高まるはずです。
日銀は市場で売り出される国債を必死に買い支える事になりますが・・・・ここに至れば為替市場で円の信用は失われ、円安が進行します。
当然輸入物価が上昇するのでインフレが加速しますが、lこれは景気に悪影響を与えこそすれ、プラスにはなりません。輸出企業には追い風ですが、製造業が国内に回帰する前に「円逃避」が発生して、国内資産を海外に逃避させる動きが強まります。これがさらに円安を加速します。
■ 通貨防衛と利上げ ■
アルゼンチンやロシアでは通貨を防衛する為に金利を引き上げています。
・・・・さて、日銀が金利を引き上げたらどうなるか・・・・金融機関は日本国債市場から一気に資金を引き上げます。これを日銀の当座預金に置けば良いですが、米国債などに流れると円安がさらに加速します。
こうならない為にも、日銀の異次元緩和は早めに出口に向かうべきなのですが・・・・FRBは通貨の信用が如何に大事か理解しているので、一人勝ちで出口戦略に突入します。
まあ、これはこれで次のバブルを生むので怖いのですけれど・・・・。