毎度おなじみの「前期アニメ・ベスト」。
さっそく発表と参ります。
第一位 『ユリ熊嵐』
私はオタクアニメが大嫌いで、オタクアニメが大好きです。ガウガウ!!
LINEやTwitterが生み出す「同調圧力」・・・『ユリ熊嵐』
「アニメとは何か」という問いかけの最良の回答の一つがこの作品ではないでしょうか?
アニメとは乱暴に言ってしまえば「動く絵」です。その動きの隅々まで完璧にコントロールした時、実写では表現できないアニメならではの世界が出現します。
当然予算の制約が有りますから、ディズニー映画や宮崎駿の作品の様に全編でキャラクターを動かし、かつコントロールする事は不可能です。そこで、変身シーンに代表されるバンクシーンに全力を傾ける事になりますが、それを逆手に取ってバンクシーンを作品の中心に据えたのが幾島作品では無いでしょうか。
作品の全ては「バンクシーンの魅力を最大に引き出す為に有る」。有る意味、本末転倒の様にも思えますが、「動く絵」であるアニメの本質に迫ろうとするならば、こういう方法論は悪く無いのかも知れません。
いつもながら「断絶の壁」とか「透明な存在」とか思わせぶりな言葉を散りばめていますが、ある種哲学的に聞こえるそれらのワードは極めて表面的な扱いで、あえてそれについて掘り下げる事は在りません。これも現代的と言えば現代的。
第二位 『アルドノア・ゼロ』
http://green.ap.teacup.com/pekepon/1460.html
良くも悪くも現在のロボットアニメの水準を示す作品。
ロボットアニメにおいて戦闘シーンは非常に大事ですが、この作品の戦闘シーンは似非科学的設定においても、現代最高の出来栄えでは無いでしょうか。
SFとして良し。ラブロマンスとして良し。ロボットアニメとして良し。ストーリーとして良し。ご都合主義として良し。
これとして欠点に見つからない作品ですが、キレイにまとまり過ぎている点が欠点。良くも悪くもアニメで育った人達が作った作品です。
この対極に富野監督の諸作が有ります。人間を描写する時に、リアルな人物像を出発点とするか、それともアニメの長年のストックを出発点とするかの違いなのですが、富野作品は前者、そして現代のアニメは後者です。後者は「テンプレート」と呼ばれます。
『アルドノア・ゼロ』の登場人物達はオリジナリティーが高いので「テンプレ」とは一線を画しますが、でもリアルじゃない・・・。これが悪い事かと言えば決してそうでは無いのですが、キャラが製作者の意図を外れて動き出す様な事は在りません。ある意味、優等生的でコジンマリしている。
さらに、『ゼーガペイン』にある様な圧倒的なキャラへの感情移入をこの作品は許してくれません。少し離れた所から批評的に見てしまいます。スレインとザーツバルグは良いキャラでしたが・・・。
ただロボットのキャラ立ちは最高で、敵メカはデザインと言い、必殺技と言いどれもスーパーロボット大戦に参戦できるレベル。あっぱれ!!
第三位 『SHIROBAKO』
アニメってどうやって作るの?・・・『SHIROBAKO』
アニメ原体験・・・『山ねずみロッキーチャック』
「万策つきたぁーーー」の名セリフを生んだだけでも印象に深い作品。アニメ現場の現状をリアルに伝える良作です。PAworksらしい丁寧な作り。過去の作品へのオマージュやパロディーも散りばめられていて、それを探すだけでも楽しめます。
ただ、ハイライトは意外にも前半にあって,2~4話目あたりがピークでした。
第4位 『四月は君の嘘』
最終回、50歳のオッサンの目から涙が止まりませんでした・・・。
テンポが悪いという意見も多く見かけましたが、じっくりと作りこんだおかげで最終話が生きてきます。ウケを狙って派手な演出や設定に走りがちな作品が多い中で、正攻法の素晴らしさを実感出来る良作です。
第5位 『七つの大罪』
『寄生獣』
人気原作をアニメ化するのは難しいのですが、この2作は水準をクリアーしています。『七つの大罪』は典型的な少年漫画ですが、それを『DAKEWR THAN BLACK』の岡村天斎が監督するとどうなるのか興味が有りました。結果・・・普通。普通に面白い。
『寄生獣』はミギー、『七つの大罪』はブタの存在感が絶大です。そして巨人ボク娘キャラの健康的な魅力は破壊的だぁーーー!!
敢闘賞 『冴えない彼女の育て方』
こういう作品をあまり評価はしたく無いのですが・・・良く出来ている・・・・。
ただ、『俺の青春ラブコメが・・・』に比べたら全然劣ります。オタクのオタクによるオタクの為のユートピアの限界。
あれ『Gのレコンギスタ』は?『クロスアンジュ』は?
そんな作品は存在しません!! キリ!!