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経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

エレガントな財務省・・・「官製相場」の行方

2015-04-13 10:57:00 | 時事/金融危機
 

■ 日経平均2万円 ■

日経平均株価が選挙を前に一時的に2万円を超え、アベノミクスによる経済回復を国民に宣伝しています。あまりに「ヤラセ」臭い株価操作です。

TVや新聞しか情報源の無い実家の母は「あんた、景気悪いって言うけど株価2万円じゃないの。○○さんも、▽▽さんも、株で儲かったって言ってるわよ」と私に愚痴りました。

■ 公的資金、準公的資金が外国人に垂れ流しされる ■

日経平均の上昇が不自然な事は株に詳しい方々なら理解されていると思います。ダウ平均とのリンクも円相場とのリンクも外れ、ひたすら上昇し続ける相場は異常です。

日銀、GPIF、共済年金、ゆうちょ、簡保などを合わせると25兆円程の資金が見込める様ですが、こららの莫大な資金を持ってすれば、ちょっとやそっとの下落は買い支える事が可能です。言うなれば、公的資金、準公的資金が買い支えるとアナウンスしている日本株市場は、当分の間は右肩上がりに上昇し続けるのです。

これを外国人投資家達が見過ごすはずはありません。下落のリスクの極めて低い市場に投資して、あわよくば高値で売り抜けようと資金が群がって来ます。空売りで売り崩せなくとも、確実に利益が出るからです。

外国人投資家達は、利ザヤは少なくとも、ちょっと下がった所で日本株を買えば、公的(準公的資金)にそれより高値で売る事が出来ます。

■ 日本国債市場でも同じ事が起きた ■

実は日本国債市場でも同じ事が起きていました。日銀の異次元緩和の後は混乱した日本国債市場ですが、その後は金利が下がり続けています。(国債価格は上昇)

これは、手持ち国債を日銀の売却すれば確実に利益が出るからで、金融機関は金利がほとんど付かない日本国債を購入して、それを日銀に売却して利ザヤを稼ぐ投資スタイルを確立していました。

さらに、日銀に国債を売却した資金を日銀の当座預金に置いておくだけで金利が得られます。そして、その資金が日銀の国債購入資金として使われているのです。


もはや日本国債金利も、日経平均株価も官製相場となり、景気の指標としての機能は失っています。カナリアは絞殺されたのです。

■ 官製相場はモラルハザード? ■

日銀やGPIF、共済年金の積立金、ゆうちょ、かんぽの資金で買い支えられる株式市場ですが、国民の資産でこれらの市場を支える事はモラルハザードでしょうか?

庶民の資産で外資や一部の資産家、投資家が利益を得る事は、普通に考えれば問題が有ります。特に株式は「下落」や「暴落」の危険性があるので、国民の資産が減る恐れがあります。

しかし、将来的に大幅なインフレが起こった場合、これらの資金を株式市場や外債市場に逃避させるメリットが生じます。

■ 日本国債市場から締め出される民間資金 ■

日銀は異次元緩和で日本国債市場から公的資金や民間資金を締め出しています。金融庁も地銀や信金に日本国債偏重の運用を改める様に指導しています。

現在の日本は日本国債市場から資金が締め出されているのです。その資金の行く先は日本株市場であたり、外債市場だったりします。

日本国債市場は日銀の異次元緩和前は預金を始めとする民間の資金が買い支えていました。しかし、民間の預金が将来的に目減りし、日本国債を買い支える事が出来なくなる事は明確でした。

そこで、需給バランスが崩れる前に財務省と日銀は事実上の財政ファイナンスに入ったのです。これら異次元緩和の本当の目的。

ただ、これとて永続的では有りません。日銀の政策が「財政ファイナンス」だと世界が認めた時、日本円が為替市場で売られ、円は暴落するはずです。多くの物資を輸入に頼る日本で、円の暴落は大きなイオンレ圧力となります。

物価がどんどん上昇した時、金利がほぼゼロの日本国債を金融機関が保有していたら、これらの金融機関は破綻します。ですから、異次元緩和に突入した時点で、財務省や政府はGPIFや共済年金、ゆうちょ、かんぽの資金運用の日本国債偏重を是正して、将来的なインフレに備えたのだと私は考えています。

■ 株式はインフレに強い ■

一見モラルハザードの様に見える公的・準公的資金の日本株買いですが、将来的にインフレが加速し金利が上昇する事が確実であるならば、資産保全的に認められるのではないでしょうか?

株は一時期暴落しても、長期的に見ればインフレ率を反映して値上がりします。(ただし、その会社が倒産しない限り)

短期的に見ればアベノミクスのテコ入れにしか見えない公的・準公的資金による日本株買いですが、本当の目的はインフレ対策・・・。

こう考えると、財務省はアベノミクスを隠れ蓑にして、財政ファイナンスを実行し、同時に国民資産を守る準備をした訳で、実にエレガントに行動したとも言えます。


そこらへんの官僚の思惑が分からないのが安倍首相の良いところなのかも知れません。要は利用しやすい男なのかも知れません。



中国のAIIBを巡る空気の変化で、日本円が暴落してもドルや世界経済に影響を与えない準備がされ始めている様に感じています。

円の暴落が5年後なのか、10年後なのか、20年後なのかは分かりませんが、私は次の金融危機でショックドクトリン的に大きな変化が実行されると思っています。


これからの資産運用のキーワードは「インフレ対策」なのかも知れません。


・・・・月曜から妄想全開で申し訳ありません。