人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

スマートで無いけどシタタカな中国

2015-04-22 07:01:00 | 時事/金融危機


■ 中国料理? ■

世界の経営者達が中国をどう料理するかは意見の分かれる所でしょう。表面的には中国を持ち上げる勢力と、中国を敵視する勢力に二分されている様に感じます。

日刊紙で言えば「ゲンダイ」と「フジ」の記事が対象的で、日本の中でもアジア派とアメリカ派が対立している様に見えています。

しかし、リーマンショックの後、中国は米国債のみならずMBSも買い支え世界経済の回復に大きく貢献しています。この様に表面的には対立している様に見える米中ですが、実は阿吽の呼吸で行動している様にも見えます。これはウクライナで対立する米ソにも感じるある種の連帯感です。

多分に陰謀論的ではありますが、表面的な緊張関係がフィクションだとすれば、その裏には何が有るのか・・・・。ここらへんが大変気になる所です。

ミャンマーが大変良い例なのですが、アメリカはミャンマーの軍政を非難して封じ込めていましたが、自分たちの利益の為には180度手の平返ししています。これは緊張緩和では無く、「緊張関係こそがフィクション」であった良い例では無いかと私は考えています。

■ 世界の縮図が中国の中に存在する ■

中国に関しては、無理な経済政策の歪や、共産党幹部の腐敗など問題点は多々あるのですが、一国の中に先進国と途上国を持つことなど、一つの国と言うよりは一つの経済圏として十分に機能します。

これはアメリカも似た様な構造を目指しており、不正入国の移民を労働市場に取り込んで、アメリカ国内に途上国を作り上げようとしています。

これは資本家本位の考え方による理想的な社会構造なのかも知れません。日本の非正規雇用も似た様な状況を作り出しています。

■ 人治主義が支配する国 ■

中国は政治体制こそ共産主義の一党独裁ですが、ビジネスに関してはかなりやり手です。アジア各国の経済を牛耳るのは華僑です。シンガポールなども華僑が支配する国です。彼らはスマートで合理的な経営判断をします。ただ、異質なのはファミリーを重視する事でしょう
か。ただ、それも裏切りのリスクを低減させる彼ら独自のやり方だとも言えます。

中国に「法治主義」という西洋の文化は馴染まず、古来「人治主義」が巨大な国家を支配してきました。西洋の思想に洗脳された日本人から見れば「とんでも無い国」と思えますが、彼らのやり方ではそれが何千年もスタンダードです。

西洋が東洋を凌駕したのはここ400年の間だけで、それ以前は中国は世界の最も発展していた地域でした。東西の逆転が直ぐに起こるとは思いませんが、100年、1000年単位で思考する人達ですから、「刹那的」な日本人には想像もつかない行動も彼らなりのロジックは成り立っているのかも知れません。

■ いろいろと、とっ散らかっていてもパワーが有る ■

先日もアメリカ人と飲んでいたら、「中国人は列に並ばないしウルサイし・・」とケチョンケチョンに言っていましたが、それでも全体として社会が維持されているのが中国の不思議な所だと思っています。

私が中国を好きな訳ではありませんが、日本の中に「中国崩壊待望論」的な空気が蔓延しているので、少し危機感を抱いています。戦前、「三国民」と蔑視していたのと似た様な空気を感じます。

既に中国は世界第二位の経済大国の座を揺るぎなき物とし、元の為替操作が無ければGDPはアメリカを凌ぐかも知れません。(そもそもアメリカのGDPって紙のお札を刷りまくって築いたもので、内需の塊みたいなものじゃないですか・・・)

■ シタタカな中国 ■

AIIBには確かに胡散臭さが漂いますが、それこそが中国人のシタタカさの表れであり、日本人に欠ける物だと私は感じています。

スマートでは無いがシタタカな国・・・それが中国では?

仮に世界経済が崩壊に危機にさらされたならば、中国はそのシタタカさにおいていち早く回復の糸口を掴む・・・そんな妄想に朝から浸ってしまいました。