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祝!郵政3社のIPO成功・・・非観の先の楽観

2015-11-05 05:24:00 | 時事/金融危機
 

■ 日本株市場では今年最大のイベントの郵政3社のIPO ■

夏からの株式市場の下落にも関わらず、日経平均は19000円台を伺うまでに回復しています。7-9月のGDPもマイナスになると予測される中で株価がジリジリと上昇するのは異常とも言えますが、とにかく11月4日の郵政3社のIPOまで株価は絶対死守。外資も空気を読んで、派手な売りは控えていた事と思います。

さて、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命のIPOですが、初値は思いの他良い値が付きました。セオリー通り初日に売ってウホウホの方も多いでしょう。

とくに株数が少なかった「かんぽ生命」は、結構ピーキーな値動きをしています。

■ 日経平均の牽引役になるのか? ■

今回のIPOの主幹事は国内が野村證券、三菱UFJモルガン・スタンレー、国外がゴールドマン・サックス、JPモルガン、でした。中でも銀行窓口での積極的な販売を展開した三菱UFJが、株式に縁の薄い方々へ販売を広げた様です。

幸運にも当選された方は、本日の株式公開をワクワク、或いは不安を持って見守ったことでしょう。とりあえず、値上がりでほっとした事と思います。

郵政3社の株式は、今後日経平均の算定銘柄になると思われますので、今後しばらくは日本株の牽引役を担う事になるかと思います。

■ 株価は既に景気に指標としての機能を失っている ■

日本もアメリカも、株価が景気の実態と乖離して久しくなります。一応、経済指標に反応している様に見えますが、それは極短期の値動きで、ボラティリティを利用して利益を拡大しているだけの行為です。長いスパンでは、各中央銀行の緩和政策に左右されています。典型的な金融緩和相場となっています。

この様な状況の中、日銀は10月の追加緩和を見送りましたが、本来は日本株の下落がある所です。しかし、郵政3社の公開を控え、市場参加者は11月初旬まで相場維持を選択したと思われます。

■ 非観の先の楽観 ■

多分、私のブログは一番悲観的な部類に入るので、それに沿った筋書きを妄想してみます。

11月6日に発表される米雇用統計は思うほど振るわないと予測します。これは現実の数字をどうこうという専門的な話では無く、先日のFRBの「年内利上げ(したい)」発言に対するカウンターとして、「利上げ先延ばし」の期待を煽る統計が出て来ると思われるからです。(アメリカの雇用統計が操作されていると仮定して)

あまり「年内利上げ」を援護する様な統計が出ると、ポジションが一気に偏って利上げ後の混乱が大きくなる可能性があります。FRBが「シレッっと」利上げを実行する為には、利上げ予測が50%程度にコントロールされる必要が有るかと・・・。先般の日銀の追加緩和予測も直前は50%程度だったかと思います。

11月はこれで乗り切ったとして、年末はやはり不安が高まるでしょうから、クリスマス休暇前に過剰リスクは調整されるはずで、ダウは調整安が進み、日経平均もそれにつられて下落します。

ここで、外国人投資家がボーナスを稼ごうとすると、日経平均は17000円を割り込むかも知れません。郵政株フィーバーも終焉。

この先は、FRBの利上げと、それに対する市場の反応次第ですが、ここで「黒田バズーガー3rd」が炸裂してくれると市場関係者にとっては願ったり叶ったり。さらにドラギのスペシャルマジックタイムが重なれば、ダウも日経平均も持ち直すかも知れません。裏で中国が熱烈援護をしていそうですし。


こんな所がFRBや日銀の描く勝利の方程式では無いかと・・・・。あれあれ、非観が一回りして楽観になってますね・・・。


尤も、バズーガーは空砲、帽子の中はカラッポなんて事も有るので注意は必要でしょう。



<追記>

「あれあれ、人力さん、郵政株公開後に日本株暴落って書いてなかった?」というツッコミが方々から聞こえて来ますが・・・どうも最近のイギリスと中国の関係を見ていると、リーマンショックの総仕上げはもう少し先かなと・・・・。

もう少し過熱感が無いと、世界的金融危機から世界の構造転換まで進まない気がしています。前にも書いた様に、FRBの利上げが成功したら2年以内に最後のバブルが弾けると思います。

日経平均はドル高円安の分だけレンジを切り上げるでしょう。ただ、ちょこちょこと外国人投資家が売りをし掛けて公的、準公的資金を巻き上げる展開となるはず。ゆうちょマネーも流入してくるだけにオイシイ。