人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

チャイナショックの裏に見え隠れする米中の思惑・・・陰謀論的勘ぐり

2016-01-09 05:44:00 | 時事/金融危機
 

■ 大発会から5日連続下落は初めて ■

年明けから世界の株式市場が大荒れです。東京市場は年頭の大発会から5日連続の下落となり、これは史上初めての事だとか。

FRBが利上げを決定したので、リスクマネーの動きに変化が出ている事は誰でも分かっているのですがい、それが具体的に「いつ」「どの様な」相場の変化となって現れるのか予想は難しいと思います。


■ 予測されたチャイナショック ■


今回の上海市場の暴落は凡そ想像出来たはずです。1月8日に上海市場の大量保有者の売買規制が解除される事は事前に知られていましたから、その前に売り抜けようとする人が大勢出る事は予想の範囲内です。

中国当局が1月4日に新しいサーキットブレーカーを導入したのも暴落を警戒したからですが・・・これが人々の恐怖心をさらに煽った可能性が有ります。サーキットブレーカーが発動したら売りたいのに売れなくなるのですから、人々は我さきにと売り注文を出します。結果的にサーキットブレーカーが何度も発動する事となりました。

■ 昨年8月に似た状況 ■

多くの人が指摘する様に年初以来の混乱は、昨年8月のチャイナショックに良く似ています。

中国は為替政策を変更しており、元をゆるやかに切り下げ初めていました。これは輸出振興によって低迷する経済を回復させる思惑があったと思われますが、為替が下がると分かっていれば投資家達が中国株を早めに手放そうとするのは当然です。これは海外の投資家に限った事では有りません。中国国内の富裕層は、あの手この手で資産を海外に持ち出していますが、元安はこの動きを加速させます。下がるであろう株を処分して、元が高いうちに海外に資産を持ち出そうとしたのでしょう。

■ 中国の米国債保有が気になる ■

8月のチャイナショックの際、中国は米国債保有額を減らしていると噂されましたが、実際には増やしていました。

私は今回のチャイナショックの裏に米中の阿吽の呼吸が潜んでいる様に思えてなりません。株式市場に圧力を掛けて資金を米国債に誘導しているのでは無いか・・・・?

中国は元安誘導で元売りドル買いした資金を米国債で運用しているのでは無いか???

■ 道連れになる日本市場 ■

日本市場は海外の投資家にとっては天国です。売り浴びせれば日銀や公的資金が買い支えてくれる。売り控えればジリジリと株価は回復する。

昨年、海外投資家は3兆円程日本株を売り越しています。この中にはサウジアラビアなどの産油国の年金基金などが含まれるでしょうから、本格的な売りは今年から始まると思われます。

海外の投資家が利益を最大化させる為には、日本市場を一気に売り崩すのは得策では有りません。何度も下落を仕掛けて、その都度公的資金やGPIFからチビチビとお金を揺すり取るのが一番です。そうして潮時を見て、今度は空売りも含めて一気に暴落を仕掛けます。

この局面に至るまでは、後1年程度は有るのでは無いでしょうか。ただ、株の上値は徐々に重くなります。昨年は2万円が一つの目標となっていましたが、外資が売り抜け始めると上値は徐々に19000円、18000円と下がって来ると思われます。

■ 流石に為替市場で日銀が介入したか? ■

昨日金曜日の前場は日本株も結構持ち直していました。午前中、為替市場で激しい動きが見られたので、急激に進行する円高を牽制して日銀が密かに円売りドル買いの介入をしていたかも知れません。

海外投資家の運用する日本株のアルゴリズム取引は為替相場に敏感ですから、日銀は日本株市場を買い支えるよりは、為替市場に介入する方が効果的です。将来値下がりするであろう日本株を抱え込むよりは、将来値上がりするであろうドル保有を増やす方が合理的で日銀のバランスシートも傷みません。


■ 円高?に振れるのか? ■


FRBの利上げで本来はドル高になる所ですが、逆に円高になっています。これは昨年辺りから指摘されていましたが、利上げを織り込んだ市場は十分に円安に振れていたので、利上げ実施で材料が出尽くし、円高に若干戻るという事らしい。

年末の日銀の「ショボイ追加緩和」がさらに拍車を掛けた感が有ります。「日銀は弾を撃ち尽くした」と見て、当面追加緩和による円安誘導は無いと見ているのでしょう。

尤も、これは日銀が追加緩和を発動するには良い条件にもなります。政府は輸入物価を押し上げる過度の円安を警戒していますから、円高傾向が強まれば日銀の追加緩和のハードルは下がります。

金融庁が地銀や信金に中長期国債を手放す様に相当圧力を掛けている様ですから、この動きと連動して日銀の追加緩和がもう一回発動すると私は見ています。

当然、円安に振れるので、炙り出された資金は米国債投資に向かうはずです。



・・・・まあ、そんなこんなで陰謀論者の私は「米国債」を中心に経済を眺めてしまう訳ですが、北朝鮮の水爆実験もそんな空気を読んだ、いつもながらの絶妙なタイミングだったと思います。


いかんいかん、新年早々に妄想が止まらない・・・。