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憲法改正をエサに票を集める安倍政権

2016-01-26 08:24:00 | 時事/金融危機
 

■ 憲法改正議論がにわかに盛り上がって来た ■

安倍首相周辺で憲法改正議論がにわかに盛り上がっています。

国会の2/3の賛成で憲法改正が発議される事から、衆参で賛成派が2/3に達するかどうかに注目が集まりそうです。

若い方を中心に憲法改正に賛成の方も多いので、普段選挙に行かないこれらの層を投票所に向かわせる事が出来れば、自民党や維新の会などは議席を伸ばす事になるでしょう。


■ 中高年に抵抗感が強い憲法改正 ■


一方で戦争を体験した世代や、全共闘の世代には憲法改正に否定的な人達が多いかと思います。これらの世代の都市部の浮遊票の一部は野党に流れるでしょうが、農村部は地域的縛りから自民党に投票せざるを得ません。

野党があまりにも「ふがいない」状況で、共産党しか批判票の受け皿は有りませんが、共産党に投票する事に抵抗を感じる高齢者は多いはずです。

■ 消費税増税延期とセットにする可能性もある ■

景気減速が統計データでも明らかになりつつありますが、安倍政権は消費税増税延期のカードを再び切る可能性が有ります。私は財務省もこれに反対しないのでは無いかと考えます。

消費税増税は、量的緩和下でバブルに成り易い不動産市場などのブレーキの役割として利用されていると思う節が有るので、バブルが抑制されている間は、ブレーキはその先に取っておきだいでしょう。

■ 憲法改正を隠れ蓑にして構造改革を進める ■

では、憲法改正は実現可能でしょうか?

私は国民投票で過半数の賛成を得る事は難しいと思います。


各局、自民党は夏の選挙で議席を大きく増やしますが、憲法改正には時期尚早として、「今は規制緩和、構造改革を進めて日本経済を立て直す!!」と言いだすでしょう。


これが昨今、にわかに盛り上がっている憲法改正議論のトリックかと・・・。

そろそろ分岐点・・・ダウが底抜けするかどうか

2016-01-26 07:25:00 | 時事/金融危機
 



■ ほぼ昨年夏の下落水準まで調整されたダウ平均 ■

株式には全く素人の私ですが、株価の動きを追うのは何故か楽しい。特に相場が大きく動く時にはドキドキしながらチャートの変動に見入ってしまいます。これって、台風情報に何故かドキドキするのに似ています。ただ・・・台風は多くの被害を出しますし、株価の大幅な下落は経済に悪影響を与えるので、あまり喜ばしい事では無いのですが・・・。

さて、昨今の世界的な株価下落ですが、注視すべきは日本株などでは無くやはりダウやS&Pでしょう。

ダウは昨年夏のチャイナショックの水準まで下落しています。

■ 仕掛けられて下落した昨年夏と、本当に逃げ出した今年 ■

チャイナショックの原因はFRBが9月に利上げを発表するのでは無いかという疑心暗鬼によって新興国投資が引き上げられ易い状況で、ヘッジファンドなどが上海市場で売りを仕掛けた事にあると言われています。

昨年夏の下落時には、FRBの利上げ予測が年末に遠のいた事で市場はひとまず回復しています。FRBが利上げに入るまでは、低金利の資金の供給が実質的には減らないので、ゲームは継続されたのです。

しかし、FRBが利上げに入った現在の状況は大きく異なります。金利に上昇圧力が掛っているので、「タダ同然の金利で資金を借り入れて投資を繰り返すというゲームの基本ルール」が変更されています。損失を借り入れで誤魔化して次のチャンスを狙う事が不可能になったのです。

リスクを大きく取っていたゲームの参加者達はそろそろ市場から姿を消し始めました。原油先物やコモディティーに投資していたファンド、ジャンク債に投資していたファンドの中から解散するものが出始めています。中には出資金を戻せない所もある様です。

■ 負の連鎖が始まっている ■

ダウの下落原因は次の通りかと・・・

1) FRBの利上げによるリスクオフ
2) サウジなど産油国の資金が引き上げられている
3) 社債市場の金利上昇で自社株買いが減少している
4) 損失が膨らんでいるファンドなどが換金売りをしている

悪い要因が重なって買われる材料が有りません。尤も、現在の市場参加者は既に逃げ遅れたネズミで、本当に情報を持っている一部の者達は、多分昨年夏の下落前に売り抜けているのでは無いでしょうか?


■ 多分、夏頃に資金が枯渇するシェール企業 ■

株価下落の一因になっているシェール企業ですが、夏ごろに借り換えが滞り資金が枯渇すると言われています。ただ、シェールを始めとしたエネルギー関連の社債や株のリスクを市場は既に十分織り込んでいますから、これが危機の引き金になる事は無いでしょう。

ここから先は業界再編で、石油メジャーがタダ同然でシェール企業と採掘権を手に入れるだけ。原油価格はここら辺で底打ちすると思われます。


■ ECBや日銀の追加緩和の効力は薄い ■

リーマンショック以降の世界の市場は、ジャブジャブと供給される緩和資金によって膨らみ続けました。結局は、緩和資金が拡大すれば相場は上がり、緩和資金が減れば下落します。

ECBのドラギ総裁が、世界的景気減速を阻止する為に追加緩和の準備が有ると発言して先週金曜日に各市場は値を戻したと報道されています。しかし、金曜日はイスラム教国家の市場が休みだったので、産油国の実弾売りが有りませんでした。案の定、月曜日のダウは下落に転じています。

市場は材料を探していますから、ドラギ総裁や黒田総裁の発言にイチイチ反応してみせますが、ECBも日銀も既に大した手立てを持ち合わせてはいません。昨年12月の様にチャチな追加緩和を発表すれば「ドラギショック」や「黒田ショック」を引きお越します。

ECBの金利は既に下限に近く、これ以上の緩和の為には国債買い入れ枠を大幅に増やす必要があります。これは日銀が現在実行している事で不可能では有りませんが、ドイツを説得出来るかどうかが不透明です。

日銀に至っては既に新発国債の全額に相当する額を市場から買い入れている状況で、これ以上の大胆な国債買い入れ枠の拡大は日本円の信用に影響し始めます。株や不動産のETFの購入枠を増やすという方法も考えられますが、そろそろバブルが弾けるという時に中央銀行がリスクを引き受けるというのも如何なものか・・・。それこそ、泥棒に追い銭となります。(多分、日銀はこの方法を取ると思われますが・・・)

いずれにしてもECNも日銀もネタのバレたマジックで失望を呼ぶ可能性が高い。

■ FRBが利上げを凍結する可能性 ■

米国内の経済指標もパッとしない状況で、FRBが今後利上げを順調に進められるかに注目が集まっています。連銀総裁の中からも慎重論が出始めています。

これ、テーパリングや利上げの時と同じ構図で、タカ派とハト派の意見を丁度良い具合にブレンドして流す事で市場をコントロールするFRBの常套手段です。彼らはこれを市場との対話と呼んでいますが・・・。

FRBが利上げを凍結するとすれば、それは米国債金利に急激な上昇圧力が掛った時でしょう。しかし、現在はリスクオフによって米国債に資金が流れ込み、米国債金利は昨年夏以来の低い金利になっています。

リスクオフは米国債の資金還流にはプラスに働くので、FRBは市場が暴落しない限り利上げの流れを変えないと思います。

■ 中央銀行は意図的にバブルを作り、崩壊させて来た ■

私は中央銀行は、目的を持ってバブルを作り、そして崩壊させて来たと疑っています。

ITバブルがIT産業を生み出した様に、リーマンショック以降のバブルは新興国で発生しています。ですから、今回のバブル崩壊の主役は新興国と資源国です。

中国、韓国、マレーシア、タイ、シンガポール、フィリピン、インドといったアジアの新興国。そしてブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、さらには中東産油国・・・。

日本のバブル崩壊によって日本株は1/4に下落しましたが、それを底値で買い漁ったのは外国人投資家達でした。彼らは株式によって日本企業を支配する事に成功したのです。これと同じ事が世界中で起こるはずです。


私はダウ平均はこのままダラダラと下落して行くと予想します。そして夏頃から、世界はだんだんと希望を失って行く・・・・。