
『Infini-T Force 』より
■ タツノコプロの黄金期のヒーロが大集結 ■
上の画像を見て、ビビ!!っと来る人は・・・多分居ない。
でも下の画像を見たら、そして予告映像を見たら、オッサン世代は血沸き肉躍るはず。

『Infini-T Force 』より
今期アニメはバラエティーに富んで面白かったのですが、そのダークホースが『Infini-T Force 』と『妹さえいればいい』では無いでしょうか。
往年のタツノコプロのヒーロを大集結させ、CGアニメ化するという「安直」な企画ではありますが、「オッサン」になったガッチャマンの「大鷲のケン」には痺れました。無精ひげを生やし、ちょっと人生に疲れた中堅サラリーマンみたいなケンをあなたは想像出来るでしょうか?
その他のヒーロは、『破裏拳ポリマー』のタケシ、宇宙の騎士テッカマン』のジョージ、そして『新造人間キャシャーン』のテツヤとフレンダー。これ、全部キャラクターデザインが天野嘉孝(あまの よしたか)という所がミソ。
今でこそ現代アーティストとして海外でも評判の高い天野嘉孝ですが、当時からその才能は突出していました。

1972年にスタートした『科学忍者隊ガッチャマン』ですが、もう絵がカッコよくて当時7歳だった私のハートを鷲掴みにします。公式にはキャラデザはタツノコプロの社長の漫画家でもある吉田竜夫氏になっていますが、高校生にして吉田氏の自宅に下宿してタツノコプロの仕事をしていた天野嘉孝が関係していた事は絵を見れば一目瞭然です。
多分にアメコミの影響を受けたと思わせる天野氏の絵ですが、思い切りパースを利かせた構図と、筋肉や身体の描写のシナやかさが特徴です。細マッチョ感がタマラナイ。
彼のキャラクターの造形をCGで現代風にアレンジしたのが『Infini-T Force 』ですが、これがどのキャラクターもメチャクチャにカッコイイ。





『Infini-T Force 』より
人間を描くと違和感の有る3D-CGですが、仮面を被せてしまえば違和感が緩和されます。むしろケレンミの有る動きや、早い動きでもディテールを犠牲にする事なく作画が出来、さらに手描きよりも低コストというCGの長所が発揮されます。
■ ヒーロー物の基本には忠実 ■
この作品、とある運命を背負った女子高生の元に、並行世界からヒーロー達が集結して戦うというもの。実は異なった世界観を持つ作品のヒーロを終結させる為にメインストーリーの設定が存在するという・・あまり成り立ちの良くない作品です。
ところが、泣かせるエピソードがあったり、適役もそこそこ魅力的だったりヒーロ物の基本はバッチリと押さえています。
始めはフル3D-CGに違和感を覚えるのですが、そのうちに慣れてしまい、後半はヒーローたちの活躍に子供の頃に戻った様にハラハラ・ドキドキしました。
■ 暑苦しくてウザい「オッサン」化した大鷲のケン ■
でも、この作品の最大の魅力は、「大鷲のケン」のウザさと暑っ苦しさ。
40歳に差し掛かろうという年齢になったケンが女子高生の主人公に言う事はどれも暑苦しくてウザい。ヒーローという職業柄からか、とにかく彼は直情型。それが、人生を悲観している女子高生の笑(えみ)にはウザくてしょうがない。
そう、この作品のケンは女子高生の父親の代役であり、どこにでも居るちょっと疲れた中年サラリーマンみたいなオッサンなのです。
ところが、「40歳にもなって熱いヒーローをやってます」感が何とも新鮮で、オリジナルを知る世代が自分を重ね易い様にに出来ている。
「オッサンでもこんなに熱くなれるんだ」と、クタビレタ私達を励ましてくれるのです。これはヒーローの再生手法の新境地です。
■ 激所に行っちゃおうかな・・・ ■
来年は、続編が劇場公開される様ですが、今度は南部博士と、コンドルのジョーが敵として立ちはだかるらしい。・・・・劇場に行っちゃうかも知れません・・・。
本日は今期のダークホース『Infini-T Force 』を、ガッチャマン世代のオッサン向けに熱く語ってみました。