■ 自転車で事故った?! ■
自転車で事故ってしまいました・・・と言っても、ヤフオクで遊んでいて、間違って落札してしまったという、いつもの事故。
ヤフオクの自転車コーナーは「物欲の塊」の私には罪なサイトです。時々、安い価格で入札してみます。「もしかしたら安く落札出来るかも」なんてドキドキ・ワクワクを味わうのですが、大抵は私の入札額より遥かに高値でオークションは終了します。
先日も、CANONDALEのCAPOというシングルスピードバイクが出品されていました。極太アルミチューブで出来たトラックエンドのバイクです。出品されていたのは2008のモデルですが、シングルスピード(ピスト)としては珍しくボトルホルダー用のネジ穴が有ります。これは200Km程度のロングライドの多い私には必須なので、思わず¥60,000-という金額で入札してしまいました。
数日後、朝起きてヤフオクをチェックすると、「オメデトウ、あなたが最高落札社ですと表示されています。
・・・・頭からスーーと血が引く音を聴いた様な気がします・・・・
・・・・ヤバイ、カミサンに何んて説明しよう・・・・。
安値落札の喜びよりも、家内への恐怖が頭の中を支配します。だって、現在我が家には息子の預かり品を含めて5台の自転車がヒシメイテいます。これ以上増えたら・・・・。
朝食の時に「あのね、ヤフオクで事故っちゃって・・・」ここまで切り出したら、もうバレちゃいました。「あんたね、何台自転車買えば気が済むの!!」
「今乗ってるのは20年前の自転車だから、そろそろ危ないんだよ。突然カーボンが折れるかも知れないし、強度も弱くなってるから下りでハンドルがブルブルするし・・・」「それに息子のバイクは僕が乗ると返す前に壊れちゃうから・・・」
こうシドロモドロに良い訳をしますが、しばらくはカミサンの機嫌は悪かった。
■ オイオイ、自転車博物館が開けそうだ ■
送られて来たバイクを見てビックリ。後輪はスピナジーのカーボンブレード・ホイールのrev-Xが付いています。このホイール、本来スポークで支えるリムを幅広の4対8枚のカーボンブレードで支える構造です。スポークによる風の抵抗を極限まで無くす為です。
REV-Xは登場と同時に大ブームとなります。数々の選手達がこのホイールを採用しますが、国際自転車競技連合(UCI)はホイールの基準を変更します。スポークの最少本数16本以下のとしたのです。これは明らかにREV-Xを意識した規則強化で、レースで使用出来なくなった、スピナジーの勢いは急速に衰えて行きます。
しかし、REV-Xはカッコが良かった。「手裏剣ホイール」などとも呼ばれREV-Xは、街乗りピストの若者達から珍重され、シングル改造されたホイールがオークションで未だに人気が有ります。
一方で、強度度外視で空気抵抗の低減を追求したホイールなので、転倒時に破損するなどの安全面の問題も指摘されています。さらには構造上「振れ取り」が出来なきこのホイールは、「振れ」が大きくなったら寿命となります。
手元に届いたREV-Xの振れは1mm程度。これならブレーキのクリアランスを大きく取れば大丈夫でしょう。一応、スペアーのシールドベアリングも準備しましたが、回転に問題も無く良く回ります。
他のパーツも悪くありません。SUGINOのクランクにMESSENGERの46Tのチェンリング、リアーは16Tのフリーが付いています。先日組み立てたバイクと同じギア比です。
ハンドルはブルホーンが付いて来ました。ケーンクリークのブルホーン用のレバーを購入し、短過ぎたシートポストを長い物に交換します。
サドルは何とTAIOGAのSPIDER。樹脂で出来たクモの巣をイメージさせるスケルトン構造の独特のサドルですが、クッションや上貼りは在りません。はたしてこれで200Kmを走れるのか少々不安は在りますが、カッコイイのでそのまま使う事にします。
フレームはSサイズで私には少々小さいのですが、120mmのステムと、シートポストを思いきり出して対応します。この方がカッコいい。
■ 登りが気持ち良いフレーム ■
金曜日に到着した自転車を夜中に組み立てます。と言っても面倒なギアーが付いていないので、サクサクと2時間程度で完成です。
ひと眠りして、9時に浦安を出発して鴨川を目指します。風は向かい風。しかしRV-Xは抵抗無く回転します。以前もアルミのエアロホイール、それもスポーク数16本のRolfを使っていましたが、スポークに空気が纏わり付く感じは残っていまいした。しかしREV-Xは空気を鋭利な刃物で切り裂く感じがします。
ただ、カーボンブレードとリムの接合部がリベットなので、段差でガチャガチャ音がします。ついついバラバラに分解してしまうイメージが脳裏浮かんで来ます・・・。
CAAD5を流用したアルミメガパイプのフレームはガッチガチです。BB周りの強度も十分で、ペダルがスーーと落ちます。一方、複雑に曲げ加工されてあシートステイが適度なしなりを生み出し、路面追従性はカーボンのレモン1号君よりも高い感じです。
ただ、このバイク、シナって進む感じは皆無です。ですから意識してペダルの回転を維持しなければ減速してしまいます。同じアルミフレームでも、息子のFELTのDISPATCHだと、BB周りの強度が弱い為にフレームがシナってペダリングを助けてくれます。
・・・平地走行はちょっと無機質な感じのバイクです。
ところが上り坂になると一転、5%程度の斜度ならばグイグイと加速していってしまいます。とにかく平地がつまらなくて登りが楽しいバイクです。これ、シングルギアだから平地は大きなギアーを掛けられませんが、チア付だったらアウタートップでガンガン加速していきそうなフレームです。多分、我が家の最速フレームでしょう。
・・・ただ、硬いフレームは足に来ます。良い気になっていると足のライフポイントがガンガン削られて行く感じがします。
ウグイスラインに入って斜度8%の坂に挑みます。ほぼシッティングでグイグイ登りますが、実は逆にパワフルなダンシングは出来ません。これ、フレームのせいでは無くてリアーホイールの横剛性が無さ過ぎる為です。ダンシングする度にブレーキがホイールに接触してしまいます。
そこで、ダンシングは車体をなるべく振らずにジワジワと踏んで対応します。フレームが大パワーに耐えるだけに、これはモドカシイ。
強引なダンシングが出来ないので、麻綿原高原への劇坂を回避して、会所トンネルから鴨川を目指します。イイ気になって走っりながら、ふと気づくとボトルホルダーに入れていた輪行バックが有りません・・・。(これで2回目の紛失)これでは、鴨川-浦安を往復すると200KMを超えてしまいます。出発が遅かったので夜間走行は確実。しかし、サングラスしか持って来ていないので、夜間走行は無理です。(メガネを忘れました)
そこで、急遽進路を変更して勝浦方面にハンドルを切ります。
■ 勝浦と言えば腰古井 ■
勝浦方面へ向かう県道で思わぬ物を見つけました。「腰古井」の「吉野酒造」さんです。南房総地方では普通にスーパーでも売られている「腰古井」ですが、「さっぱりした、ほのかな甘口」の普通に美味しい日本酒です。
勝浦には「吉野酒造」の他に海沿いに「東灘(あずまなだ)」酒造が有りますが、この両方ともになかなかの日本酒を醸造します。
「腰古井」は山から湧き出す軟水で醸されたお酒で、淡麗の部類に入るでしょうか。ただ、新潟などの味気ないお酒とは違い、ふくよかな甘みを特徴としてます。(千葉では淡麗の部類か?)
古い建物に煉瓦の煙突、そして巨大なステンレスタンクが目を引きます。
醸造用の古い建物に取りついたステンレスの排気口が不思議なインクトを与えます。建物は古くても設備は新しく更新しています。この建物、文化庁の「登録有形文化財」に指定されています。
残念な事に本日はリュックサックを背負っていないので、お酒を買う事は出来ません。販売所をちょっと覗いてから、再び自転車に跨ります。
■ 勝浦と言ったら「ビックひな祭り」 ■
しばらくすると、道沿いに「ビックひな祭り会場」という昇りが現れます。指示される方向に進むと、神社の階段が「雛段」になっていました。そう、これが勝浦名物のビックひな祭り。有名なのは勝浦駅近くの遠見岬神社ですが、実は市内各所でこの時期開催されています。中野地区では香取神社が会場となっています。
神社のすぐ近く、中野小学校の敷地内の公民館?でも室内展示がされていました。
おいおい、女官が多すぎやしないか、まさか平安時代の大奥?
こちらは大正時代の御殿造り。母の実家にもあったそうです。
■ シートの高さが合えば快適 ■
そんなこんなで観光をしている内にお腹が空きました。道端にイタリアン風の海鮮丼の店を見つけてお昼にします。
お腹が満ちた所で、再びべダルを回します。そろそろオシリが痛くなり始めました。やはりクッション無しはロングライドには無理かな・・・そう思いながらも、ペダルも回し難かったのでシートを1cm下げます。すると、あら不思議、オシリは全然痛く無く、ペダルもクルクル回せます。
こえで一気に元気が回復します。「登り坂になると体が喜ぶ」という不思議な感覚を味わいながら一気に津田沼まで走ります。ここで日没で終了。185Kmを走りました。浦安を出発してから9時半間程度。
8時間の時に距離を確認したら152kmだったので、センチュリーライドは達成出来ていませんでした。まあ、観光してましたから・・・。
ところでニューマシンのCAPOですが、非常に良いです。特に下りコーナーの安定化は特筆もので、思い通りにラインをトレースしてくれます。怖さが一切有りません。これで益々ギアー付の出番は無くなりました・・・。