■ ウイルスの塩基配列の任意の箇所を増幅する ■
PCR検査はウイルスの遺伝子を倍々に増殖する検査法です。国立感染研究所のマニュアルのURLを貼っておきます。
病原体検出マニュアル 2019-nCoV Ver.2.6
この膨大な手順を見るに、高度に自動化されていなければ検査数を容易に増やす事が困難な事が理解出来ます。
PCR検査は塩基配列の任意の箇所と結合して塩基配列をコピーする事でウイルスの断片をどんどん増やして行きます。これは生物の細胞内で行われているタンパク質合成を人工的に行う事と言えます。
「TTCGGATGCTCGAACTGCACC」これは今回検出に用いられている「プライマー」の一つですが、この塩基配列に相対するウイルスの塩基配列にプライマーが結合する事で、そこを起点に塩基配列の複写が開始されます。複写の為に酵素(RNAポリメラーゼ)が添加されています。
下の表は国立感染研究所が有効と認めるプライマーセットの塩基配列です。「ORF1a領域」の塩基配列とウイルスのスパイクの部位「S」の塩基配列を複製しています。

プライマーが2個で1セットとなっているのは、ウイルスの塩基配列の任意の箇所のみを増殖する為に、コピー箇所の頭とお尻の配列に相当するプライマーが1セットとなる為です。添加され、両方からコピーが開始されトンネル工事の様にある場所で合体します。

■ どうやって検出するのか ■
検出には蛍光体が用いられますが、ウイルスのRNAとプライマーが結合すると遊離する事によって蛍光を発する部分をプライマに予めセットしている様です。

PCRで増幅したサンプルの蛍光(紫外線などを当てて発光する光)を分光器に掛けると、帯状に光が分かれます。この蛍光を観測する事でウイルスの有無を判別しています。コントロールの発光が充分に観測されれば充分な量の塩基配列を増幅した事になるのでしょう。
■ プライマーの出どころは何処? ■
今回のPCRF検査のプライマーの元は、中国で初期に感染した患者から分離したウイルスが用いられている様です。
この分離が適切であったか、体細胞やその他のウイルスの遺伝子が含まれていなかったか疑問を持つ人も居ます。タンザニアの大統領が「ウズラの卵でも、マンゴーの汁でも陽性になった」と発表した事で、生物の細胞が一般的に持つ塩基配列をプライマーが合成しているのでは無いかとも疑いも持たれています。
インフルエンザウイルスなどで陽性が出る可能性があるのも、これらのウイルスが似たような塩基配列を持っている可能性を示唆しています。
但し、国立感染研究所は新型コロナウイスの全ゲノムを既に解析しているハズで、中国発のプライマーに不備があれば気付いているハズです。興味深い事に国立感染研究所は新型コロナウイルスの全ゲノムを解析したとアメリカのDCDに申告していましたが、これを取り下げたとの情報がネットに転がっていました。真偽の程は確かではありませんが「陰謀論的」にちょっと面白い情報です。
■ PCR検査で問題になるのは「擬陽性」 ■
一方、PCR検査は複雑な手順を踏む検査で、検体の扱いもデリケートです。
1)ウイルス増殖部位から上手く検体が採取出来なかった
2)搬送中の温度管理が悪くてRNAが壊れてしまった
3)検査自体に問題があって増殖がうく行かなかった
・・・様々な原因によって体内にウイルスが存在するのに陰性になる偽陰性が30%発生しま
す。(感度70%)
どんなにシラミツブシに検査をしても30%のウイルス保有者を見逃すので、専門家はPCR検査を臨床に使用する事に警告を発しています。感染者が野放しにされる事を危惧しているのです。
昨年3月頃にネットに「感染研究所の80度という処理温度では擬陽性が出る」という書き込みを見つけました。感染研究所は陽性率を意図的に下げている・・・そう指摘しています。
PCR検査では、一般的には90度で処理を行うという記述が多い。但し、これはDNAを一本鎖に分離する温度で、新型コロナウイルスは元々1本鎖のRNAウイルスなので、80度でプライマーが活性化して塩基配列のコピーを始めるのであれば問題が無いのかも知れません。むしろ元のRNAを壊すリスクが減るのかも知れません。
■ 特異度99%・・・擬陽性が1%出る ■
前回の記事でも書いた様に、陰謀論者は感度では無く「特異度99%」にむしろ注目しています。100人のうちに1人の「擬陽性」が出るという数字です。
タンザニアの大統領が主張した「ウズラの卵やマンゴーの汁でも陽性が出た」というのはウズラの卵の検体100個で1つの陽性が出たという事なのか、或いは70個の陽性が出たという事なのかが重要です。前者であれば「特異度」の範疇に入りますからプライマーの設計に問題は無い。
70個の陽性が出た場合は、プライマーの設計に問題が有り、一般的な体細胞の塩基配列を検出している可能性を示唆しています。検証は容易なので、技師の方がどなたか確かめてみては如何でしょうか?
尤も、一般的が体細胞をPCRが検出してしまうのであれば、PCR陽性者がもっと多くなるはずです。日本や韓国などでは5%程度の様ですから、「普通の体細胞を検出している」といのはフェイク情報だと容易に想像出来ます。
■ PCR陽性が感染と同義では無い ■
大規模なPCR検査の最大の問題は、PCR検査がウイルスの有無を調べるだけで、感染しているかどうかを調べる検査では無い事です。
PCR検査は検体に6個のウイルスが入っていれば、原理的には陽性判定を出します。(実際的にはもっと多くのウイルスが必要だと思われますが)
この極少量のウイルスの存在をして「感染」とは言いません。たまたま吸い込んだ空気にウイルスが浮遊していて、鼻毛に付着しただけの可能性も有ります。
そもそも、ウイルスが上気道などに取りついて増殖を始める事を感染とは言いません。ウイルスが増殖を始めると、白血球(T細胞)やマクロファージなど細胞性免疫が働き、ウイルスを貪食してウイルスは排除します。私達の体は絶えず外界からウイルスや細菌や花粉などの遺物が浸入して来ますが、多くの場合は白血球やマクロファージなどの自然免疫が撃退しています。
「感染」としてある程度病状を発するのは、ウイルスが組織内で増殖して細胞を大量に破壊した状態であり、ウイルスがあまり増殖していない状態を医学用語では「感作」として区別しています。
「感作」の状態では、ウイルスはあまり増殖していないのですから、体外に排出される事はあまり考えられません。「無症状の感染者=感作」とすると、「無症状の感染者が感染を広げている」というのは考え難い。
実際に「スーパースプレター」などと呼ばれる「無症状ながらウイルスをまき散らす人」は希だと思われます。ウイルスが体内でかなり増殖していながら症状が出ない事は殆ど無いからです。
一方、感染して咳やクシャミ、発熱や下痢などの症状の有る人は、盛んにウイルスを排出しています。これらの人達はウイルス工場とも言えます。これは主に高齢者です。日本のコロナ対策委員会の会議で「高齢者から高齢者に感染している」という発言が昨年あった様ですが、この会議の動画は直ぐに削除されてしまいました。
誰かが「無症状の感染者が感染を拡大している」と国民に信じ込ませたいのでは無いか・・・陰謀脳はそう考えてしまいます・・・。
何れにしても、コロナウイルスが活発になる冬季を迎え、「調べれば調べるだけPCR陽性者が増える」状況になっています。東京や神奈川は高齢者以外のウイルスの追跡調査を中止しましたが、民間のクリニックなどで一般の方々が容易にPCR検査を受けられる以上、不安に駆られた方達が大勢PCR検査を受け、そして確率的に陽性者が発生する。
一方で昨年の1~3月程は、電車や街中で咳をする人は見かけません。たまに「コイツ、コロナやな」と思う咳き込む人の多くが65才以上のデブのオヤジです・・。777さんに言わせれば「お前は既に死んでいる」人ですが・・・多分、普通に生き延びるでしょう。「オヤジ、キモ、シネ!!」って思っている女子高生にとっては残念ですが・・・。
PCR陽性者は昨年に比べて圧倒的に大勢ですが、有症者は少ない・・・これって、コロナは既に普通の風邪になったという事でしょう。二日酔いなどで免疫が下がれば発病しますが、免疫記憶が有効に働くので、命に係わる事は無い。普通の風邪で終わります。
ただ、80才以上の高齢者は免疫が有効に働かないので、亡くなる方も居らっしゃいます。ただ、それらの方は新型コロナで無くても、普通の風邪でも、インフルエンザでも、肺炎球菌でも、誤嚥性肺炎でも無くなるリスクは同じ様に持っています。
・・・・「人間いつかは死ぬ」。この自然の摂理に、新型コロナウイルスも従っているだけなのです。