若い新藤風の本格的デビュー作『転がれ!たま子』はコメディーであるにもかかわらず、全く弾まないオフビートの映画。果たして何をねらってこういう作り方をしたのか、想像もつかない。
しかし、ここには作り手の頑固な意志が貫き通されてあるのは、明確だ。中途半端な妥協は一切ない。だからここまで清々しい大失敗作となる。それは状況やケースは全く違うが長崎の『闇打つ心臓』にも通ずるものが、あるような、ないような . . . 本文を読む
昨年秋に大阪で公開された2本の映画をDVDでようやく見た。かなり気になっていたが、例によって公開期間が短く、限定された劇場だけでの公開で見逃していた。まずは、長崎俊一監督が23年ぶりにセルフリメイクした『闇打つ心臓』である。(もう1本の新藤風のハートフルコメディー『転がれ、たま子』は次回)
この映画のオリジナルとなった長崎の8ミリ自主映画は当時かなり気になる作品だった。なぜ、35ミリを撮った . . . 本文を読む