どうしてこういうコスプレ芝居として、このお話を作ろうとしたのだろうか。もっとさりげない、どこにでもある家族の物語を見せてもらうつもりだっただけに、かなりの驚きがある。「愛とはなにか」なんて問いかけからスタートして、あの大仰な衣装とメイクで話が始まった時には、いったい何が起きたのか、と思った。
きっと丸尾さんは、現代のシェークスピアを目指し、この芝居を無国籍の神話として作ろうとしたのではないか . . . 本文を読む
6話からなる短編連作。ベッドタイムをテーマにして、吉田智久さんがフィリピンの演劇人と共同で作った作品。様々な社会問題を織り込んだいろいろなタイプの作品があり、それぞれに楽しめる。テンポのいいオープニングの「ドゥルセの胸に1000の詩を」。この芝居の、ナイフで刺すという行為の繰り返しなんてとても新鮮で面白い。
ただ、最初は字幕に慣れなくて、ストーリーが上手く入ってこなくて困った。字幕を追ってい . . . 本文を読む
ハリウッド大作『ブラザーズグリム』と併行して撮られた『ローズ・イン・タイドランド』はとても小さな作品だが、傷心のテリー・ギリアムが自分ひとりの趣味の世界に引き籠って作った、とてもチャーミングで残酷な寓話だ。
幻の大作『ドンキホーテ』の顛末はドキュメンタリー映画『ロスト・イン・ラマンチャ』の中で、ほんの少し垣間見ることが出来るが、あの痛手から7年。ようやく立ち直りもう一度作家活動を再開した彼の . . . 本文を読む