ノスタルジア(パンフではノスタルジーという言い回しをしてるが)というテーマを設定する。かなり困難を伴うことになる、なんて承知の上で岩橋さんは今回敢えてそこに焦点を当てて芝居作りをする。しかもノスタルジアというものに対してある種の距離感を抱いたまま、芝居を作る。どっぷり「あの頃」なんてものに浸りきることはない。その分幾分居心地の悪い芝居となる。これは思い出の彼方、あの頃を懐かしむための芝居ではない . . . 本文を読む
夜の上海で迷子になった日本人のカリスマ・メイクアップ・アーチスト(本木雅弘)が主人公。言葉も通じないし、今自分がどこにいるのかすら、定かではない。地理感もないし、スタッフと連絡を取るためのケイタイもない。自分が泊まるホテルも覚えていない。お金も一元すら持ってない。
そんな時、タクシーに轢かれてしまい、体は無事だけど、パニックに陥る。こういう設定は必ずしも悪くはない。彼を轢いたタクシーの運転手 . . . 本文を読む