きちんと作りこまれた美術(西本卓也)と、考えられた演出(伊藤拓)のもとで、作られたヨヴメガネの第2作はとても完成度が高い。しかし、その分、彼らが持っていた野放図な魅力が、少し損なわれてしまった気もする。
台本は、それぞれかなり荒削りで、よく解らないものがある。そのわからなさが、作品をどんなふうにも理解させる。それをある種の方向に向かわせるのが、演出だと思うが、今回の伊藤さんは、そのスタイリッ . . . 本文を読む
芝居が始まると、そこは閉鎖された空間だ。明かりはなかなか入らない。ゆっくりと闇の中にぼんやり浮かび上がってくる2つの影。彼らは狭い場所に閉じ込められている。そこがどこなのかはわからない。
いじめにより、飛び降り自殺をして、死んでしまった69<ロック>(樋口美友喜)。そんな彼を助けられなかったという心の傷を抱いたまま生きる69<無垢>(村上桜子)。老いた祖父母を棺おけに入れて、一人生きていこう . . . 本文を読む