壁井ユカコのこの小説は2人の女の子の友情を描く。24歳と17歳。二つの時間を行き来して、2人の女の子のあの頃と今を描く。
イチゴミルクが大好きだったあの頃。そして、もうイチゴミルクなんて、甘いものは飲めなくなってしまった今。(僕は40代になった今もイチゴミルクが大好きだが・・・)あの頃、夢を現実として信じたかった。だから彼女の嘘を純粋に信じていた。だけど、いつまでもそんな嘘を無邪気に信じては . . . 本文を読む
『レッドバイオリン』のフランソワ・ジラールの新作。19世紀フランス。若き軍人(マイケル・ピット)がひとりの美しい女(キーラ・ナイトレイ)と出会い恋に落ちる。至上の愛を手に入れた幸福な若者は仕事のために、彼女と離れ、遥か異郷の地、この世の果てにある日本へと旅立つ。この世で一番美しい布であるシルクを求めて。そこで、彼は絹のように美しい肌を持つ少女(芦名星)と出会うことになる。
なんだか、自分勝手 . . . 本文を読む
これは思いもかけない拾い物だ。近頃こんなにもおもしろいハリウッド映画を見た事がない。今レンタルが始まっている『オーシャンズ13』のオーシャンズ・シリーズなんていうオタク映画を見るくらいなら、こっちを見たほうがずっといい。こんなにもよく出来たお話をハリウッドがオリジナルで作れるなんて凄い。まぁ、どこにでも優れた才能はいる、という当たり前の話なのだが。
1時間48分の中に収められた情報量は凄ま . . . 本文を読む
前作『姑獲鳥の夏』は雰囲気ばかりが先行して、内容が全く追いついてこない失敗作だったが、今回は原田眞人を監督に迎え、装いも新たに京極ワールドに取り組んだ。
全編中国ロケ(上海である)で見せる昭和27年の東京は、うらぶれた風景が独得の雰囲気を漂わせており、そんな不思議な場所を舞台にして、猟奇的な連続殺人(箱の中に腕と足が入っている)の謎を追う京極堂(堤真一)たちの姿が描かれる。
とても早いテ . . . 本文を読む
去年の『大奥』に続く東映女性時代劇シリーズ第2弾(なんて、誰も言っていないが勝手に付けた)である。だから、全く期待しないで見に行ったのだが、予想に反して、これがなかなか良く出来ていた。
所詮TVの映画版でしかない『大奥』とは違いこちらは撮影所出身で東映生え抜きの新鋭橋本一監督作品である。ある意味で心意気が違う。(と、それは結果を出したから言えたことだが)
テンポの早いオープニングから一気 . . . 本文を読む