コリーヌ・セロー監督によるハート・ウォーミング。仲の悪い3人の兄妹たちが、母の遺した遺産を受け取るため遺言にある3ヶ月にも及ぶ巡礼の旅に出る。
この徒歩での旅を通して、周囲の人たちとの関係の中で、いがみ合っていた3人が心を開いていくという、まぁ、よくあるお話だ。しかし、フランスからスペインへの自然と、田舎の風景が素晴らしく、お話よりも、美しい風景を見ているだけで心がなごむ。スローライフのよさを . . . 本文を読む
とてもきれいな映像で、東京の町並みが描かれていく。どこにでもあるような風景をきちんと撮り、その美しさを際立たせようとする姿勢がいい。林立するマンション、商店街にある小物屋の店先、街角、公園、河川敷、走る電車。なんでもない風景を一番きれいにみえるように撮っている。僕らが普段目にしているなんでもない風景。そのあたりまえの世界は、実はこんなにも美しい、と思わせてくれる。この小さな映画の素敵なところは、 . . . 本文を読む
かすかな叫び声が聞こえる。女の子たちの小さな悲鳴がこの7つの短編集の中には封じ込められてある。
そんな弱い心では生きていられないはず。もっと強くならなければ駄目だ、と思う。だけれども、このまだ若くて、無知で、傷つきやすい子どもたちは、こんなくらいの恋で、か細いその身を、すり減らしてしまう。20歳前後の建前では大人になったばかりの女の子たち。
大学生や、OLになったばかりの新米。人生もこれ . . . 本文を読む
ジャッキー・チェンが、久々に香港に戻って自由に撮った最新作。(自由の国、アメリカでは自由な映画は撮らせてもらえない!)
ハリウッドの仕事が多くなり、あまり彼らしくない映画が増えてきて、ファンよりも自分自身が参っているのかもしれない、と心配になる昨今だが、やはり野に置けジャッキー・チェン。ホーム・グランドで、いい加減な台本のもと、自由気ままに映画を作っている彼の姿を見ていると、こちらまで幸せな気 . . . 本文を読む
先日『300』で、酷い目にあったので、もうこの手のCG映画はいいよ、と思ったが、ロバート・ゼメギスが、何がしたかったのかが気になって、ついつい見てしまった。
『ポーラ・エクスプレス』に続く彼の新作。ゼメギスはもう普通の映画を撮る気はないのだろうか。まぁ、そんなことはないだろうが、デジタルの進歩を最大限に利用した誰も見た事がない世界を表現したいという欲求を、満たすために彼なりの挑戦を続けている . . . 本文を読む