この冬一番の期待作だったんだが、なんだか期待はずれの作品。主人公2人の気持ちが伝わってこない。この植物園で出会い、お互いに心惹かれていく2人の女たち。同性愛がタブーとされていた時代。それだけで死刑にされてしまうなんてことが、ついこの間の中国では充分に現実としてあったのだろうが、これはその事実を告発するための映画ではない。
ダイ・シージェ監督の前作『小さな中国のお針子』があんなにも感動的だった . . . 本文を読む
意味のない繰り返しが不気味に見えてきたならいいのだが、これではただの意味不明でしかない。方法が作品のスタイルとして定着していないから、ただの思い付きにしか見えないのである。しかも空間の作り方がユルユルなので、リアルとは程遠く、作品自体が本来孕み持つべき緊張感が全く生じない。そのため描かれている出来事を観客は「一体何事がここに生じているのか」と前のめりになって受け止めることが出来なくなる。本気にな . . . 本文を読む