習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

ことのは『Hello,Hello.』

2008-11-03 19:39:57 | 演劇
 主人公の男を演じる泉寛介さんは、なんだかひきこもりには見えないよなぁ、なんて思いながら見ていた。だが、そんな意外性がこの作品に微妙なリアリティーを生む。嘘くさくない。  わざとらしく散らかった部屋。殺風景な風景は、ここがリアルな生活空間とは思わさない。これはひとり暮らしのマンションの1室という象徴でしかない。とはいえ抽象的な空間デザインではなくある種のリアル空間として舞台美術は作られている。な . . . 本文を読む
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空の驛舎『KOSMOS』

2008-11-03 18:35:01 | 演劇
 賛否両論を呼びそうな作品だ。それを作、演出の中村賢司さんは楽しんでいる。向こうサイドにも客席と同じように椅子が並べられている。対面型ではない。あれは舞台の一部である。そこには所々に思い思いの姿勢をした黒い人形が置かれてある。役者たちがその間に間隔をあけて坐る。彼らは舞台上のドラマを我々観客と同じように見る。  お花畑の中に死体が転がっている。整然と並ぶコスモスの花。死体(黒い人形)の傍らには2 . . . 本文を読む
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『天安門 恋人たち』

2008-11-03 17:22:00 | 映画
 87年から02年まで15年間に及ぶ個人史と中国(その背後には当然、世界の動きも)の歴史を重ね合わせながら描く恋愛映画。ひとりの女性が世界が揺れ動いていく中、どう生きたのかが描かれる。天安門事件を真正面から取りあげた初めての中国映画。その結果、本国では上映禁止になり、ロウ・イエ監督も5年間の謹慎を申し付けられたらしい。過激な性描写と政治的な問題を扱った事、タブーに触れたら政府の検閲が入るのはいつも . . . 本文を読む
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『団塊ボーイズ』

2008-11-03 10:49:02 | 映画
 ずっと気になっていた。この映画について少し書きたかった。『少年メリケンサック』を見た時、この『団塊ボーイズ』を引き合いに出し、あれを持上げたのが気になっていた。同じようにおっさんたちを主人公にしたコメディータッチの作品だったので同一線上に置いたが、ほんとはかなり傾向が違う映画なのだ。そのことを時間があれば書きたい、と思いつつ、長い時間が過ぎてしまった。  仕事をウッチャって、バイクに乗って旅す . . . 本文を読む
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売込隊ビーム『森のゴムドン SPECIAL EDTION』

2008-11-03 10:22:10 | 演劇
 二夜続けて売込隊ビームを見る。今夜はレギュラー陣による公演。同じセットを使って2本の芝居を作り上げるというコスト・パフォーマンス。森を舞台にして、森の昼と夜、現実と幻想のドラマを作る。なかなか心憎い企画だ。(まぁ、実際にはゴムドンには昼のシーンもいっぱいあるが、イメージは「夜」ということで)  今まで何度も上演されてきた『森にゴムドン』の特別編らしい。もしかしたら、昔、『お気楽ショート・ストー . . . 本文を読む
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売込隊ビーム『隙だらけが好きなだけ』

2008-11-03 09:58:30 | 演劇
 ほんとに久しぶりで売込隊ビームを見た。初期のシュールでグロテスクな笑いを搭載した核弾頭のような横山さんの芝居が大好きだった。『トバスアタマ』を見た時の衝撃は今も忘れられない。だが、回を重ねるごとにだんだん少しずつマイルドになっていき、気付くと全く毒気のない芝居になっていた。あぁ、これは僕が見る芝居ではないのだな、と思い始めて、それからは疎遠になったようだ。  だから、ほんとうに久しぶりなのだ。 . . . 本文を読む
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