台本(山本正典)と演出(泉寛介)の間にある齟齬が、この作品への違和感となる。2時間という上演時間は、コトリ会議としては、長い。だが、baghdad cafe'としては、短い。山本さんが自分で、演出したなら、ちゃんといつも通りの1時間45分の芝居になるのだろう。それを、泉さんがいつものように丁寧に作ったから、この時間になった。予想通りの展開である。
感覚的に、あっさりとしたタッチで作る山本さん . . . 本文を読む
『めぞん一刻』を思わせるオンボロアパートに集う人たちの人間模様を描く。管理人さんとオーナーの青年を中心にして、ここで生活する男女はみんな同じ大学の卒業生だ。ここはもともとは大学の寮だった。でも、入居者が減ってしまって、いつのまにか、卒業生がそのまま居座ることになった。彼らにとってここは実に居心地がいい。ずっと学生のままのノリでここで生活する。彼らはまるで家族のように共同生活を送る。
いつまで . . . 本文を読む
事件発生から数時間での対応であり、臨機応変にベストを尽くし、誠実な対応をすることで、みんなの不安を取り除き、現状のなかでの最善を可能とする。そういう判断力って、ものすごく大事なのではないか。この小説は学校現場での出来事を描いているが、そこにとどまらない。あらゆる局面で、人が人であるために何が必要なのかを教えてくれる。
読みながら何度も涙ぐんでしまった。もともと涙もろいのだが、この小説は格別だ . . . 本文を読む