山本周五郎の世界を、見事に朗読劇として、立ち上げた。最初は自分の頭で世界を組み立てるのが、難しく、なかなか乗れなかったのだが、ストーリーが進んでいき、しかも自分も集中すると、どんどん話の中に入り込める。しかも、林さんのパフォーマンスに引き込まれる。これって、朗読というよりも、落語に近い。というか、これは、やはり世界一小さな演劇なのだ。ひとり芝居として、認識したほうが正しいのではないか。しかも、彼 . . . 本文を読む
アルモドバルの新作にアントニオ・バンデラスが戻ってきた。これを期待しないような映画ファンはいないだろう。わくわくしながらスクリーンに向かう。相変わらず変態的な話だが、途中から、少し首をひねらざる得なくなる。見ながら、なんか違う、と思う。違和感ばかりが募る。妻の死、娘の発狂、度重なる不幸の中で、彼は復讐を兼ねて、ひとりの男を誘拐する。でも、この地点で問題大ありではないか。なんですか? 「復讐を兼ね . . . 本文を読む
キャメロン・クロウ監督の新作。こういうハートウォーミングを作らせたなら、彼はとてもうまい。今回も、こんなにも嘘くさい話(でも、実話をモデルにしている!)なのに、乗せられてしまう。生きる希望をなくしてしまった家族が、再生していく物語なのだが、なんでそれが動物園?なの、と思わせる。でも、その意外性がこの作品にリアルを付与するのだから、なんか不思議だ。ありえない、を可能にしていくことで、このキセキ(そ . . . 本文を読む