アルモドバルの新作にアントニオ・バンデラスが戻ってきた。これを期待しないような映画ファンはいないだろう。わくわくしながらスクリーンに向かう。相変わらず変態的な話だが、途中から、少し首をひねらざる得なくなる。見ながら、なんか違う、と思う。違和感ばかりが募る。妻の死、娘の発狂、度重なる不幸の中で、彼は復讐を兼ねて、ひとりの男を誘拐する。でも、この地点で問題大ありではないか。なんですか? 「復讐を兼ねて」って。復讐なら、復讐、人体実験なら人体実験。ちゃんと区別して欲しい。娘をレイプして、彼女を死に至らしめた原因を作った男を誘拐し、性転換して、女にする。そして、自分の死んだ妻と同じ顔、からだ、にする。そんなアホな話である。体を改造したら心も妻になりますか? ありえない話だ。なのに、まるで、そんなこんなに、なりそうな展開を見せる。閉じこめて、体をどんどん作り替えて、従順にして、妻の代わりにする?
もうこのバカバカしい話からして、ついていけない。前半はそのネタが、隠され得てあるから、この女は何なのかわからないので、けっこうハラハラしながら、見ることができるのだが、ネタばれした瞬間から、それはムリムリと一気に醒めてしまう。人の心は体とともに変われるのか。それはないだろ。だいたい誘拐された彼は女性の体になり、それを受け入れるなんてことがあるのか。しかも自分を誘拐し、改造した男を受け入れるなんて、おかしい話だ。生き残るための演技だった、にしても、ちょっとなんだかなぁ、である。
リアリティーのない荒唐無稽は、おふざけとしてなら、おもしろいかもしれないが、この映画は結構シリアスなラブストーリーを目指しているようなので、こんな杜撰な話の作り方では、誰も納得はしないのではないか。『トーク・トゥー・ハー』なんて大好きだったのになぁ。今回はまるでだめです。
もうこのバカバカしい話からして、ついていけない。前半はそのネタが、隠され得てあるから、この女は何なのかわからないので、けっこうハラハラしながら、見ることができるのだが、ネタばれした瞬間から、それはムリムリと一気に醒めてしまう。人の心は体とともに変われるのか。それはないだろ。だいたい誘拐された彼は女性の体になり、それを受け入れるなんてことがあるのか。しかも自分を誘拐し、改造した男を受け入れるなんて、おかしい話だ。生き残るための演技だった、にしても、ちょっとなんだかなぁ、である。
リアリティーのない荒唐無稽は、おふざけとしてなら、おもしろいかもしれないが、この映画は結構シリアスなラブストーリーを目指しているようなので、こんな杜撰な話の作り方では、誰も納得はしないのではないか。『トーク・トゥー・ハー』なんて大好きだったのになぁ。今回はまるでだめです。