今時めずらしいモノクロ・シネスコ映画だ。商業映画ではなかなかミノクロは出来ない。ジム・ジャームッシュの懐かしの映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』を思い起こす。それくらい久々のモノクローム・ロードムービーである。始まったところから、一気に作品世界に取り込まれてしまう。高速道路を歩く老人。パトカーが止まって彼を呼びとめる。「じいさん、どこに行くんだね?」と。老人は歩いてネブラスカまで行くつもり . . . 本文を読む
『呪怨』の清水崇監督がこんなハートウォーミングを撮った。もうそれだけで驚きだが、別に彼はホラーしか撮れないわけではない。それよりこれまでそういうワンパターンを押し付けられていたことのほうが不幸なのだ。今回ようやく、彼の本領発揮の機会が訪れたのかもしれない。
最初から最後まで、ここまでするか、というくらいにかわいい映画だ。でも、そこに新井浩文のような凶悪なキャラの役者を配して、バランスを取る。 . . . 本文を読む