3部作となった「ワタシのジダイ」シリーズ最終編は、棚瀬美幸さんと同世代の役者たちとのコラボレーションとなる。同じ時代を生きる彼らとの共同作業を通して、「ワタシノジダイ」の核心に迫る完結編だ。タイトルは「生き 老い」である。「勢い」とも取れる。
3人の役者がそれぞれ自分の言葉で12年前の自分を、そして12年後の自分を語るエピソードを挟んで、全体の物語は、91歳の祖父の葬儀で再会した3人の親戚で . . . 本文を読む
2011年公開の『神様のカルテ』の続編。前作も素晴らしかったが、今回は前作を超える。深川栄洋監督はこの難しい素材を見事に映画化する。医療現場ものは多々あるけど、こういう目線の作品は少ない。患者の側に立ったわけではないのに、ちゃんと患者の痛みが医師のものとして伝わる。医者が高みから患者を診ているのではなく、同じ目線から見ているからだ。そこに共感する。それは「医者としてしゃべっているのではない。人間 . . . 本文を読む
「生きているだけで恥ずかしい」というコピーに心惹かれて読み始めた。というのは、嘘です。西加奈子の新刊だから、もうそれだけで読むし。
それにしてもこのあからさまな『人間失格』へのオマージュ(?)は、すごい。「葉太」なんていう主人公のネーミングと、書き出しだけでみんな、あっ、と思うだろう。自意識過剰の演技男の愛読書はもちろん太宰だと、ご丁寧にもちゃんと出てくる。こういう読者へのやさしい配慮もいい。 . . . 本文を読む
こういうどうでもいいようなアクション映画を見たい気分だったので借りてきた。『テッド』の、というよりも『猿の惑星』のマーク・ウォールバーグ主演のアクション映画ということしか事前の知識はなかった。それなりに派手で楽しい映画だろう、というくらいの期待度で見始めたのだが、アクションという感じではない。それよりも、これはまず運び屋の話で、そこには確かにアクションシーンもある、という感じだ。
麻薬の密輸 . . . 本文を読む