実話の映画化であることをことさらに強調したいのなら、ドキュメンタリーでいいのではないか。敢えて劇映画にするというのならば、劇映画としての矜持を示してもらいたい。確かに感動的な映画ではあるだが、見ながらなんか引っかかることばかりで、すっきりしない。ラストでモデルとなった実際の主人公や両親、実の母親の姿が映されたとき、最初からそれだけでよかったじゃん、と思ってしまった。そう思わせるところがもうこの映画 . . . 本文を読む
『ただ君を愛してる』でデビューして以来信用している新城毅彦監督の新作なので、見たかったけど、なんか最近この手の高校生と先生の恋愛もの映画が続出でいささか食傷気味。またかよ、と思うし、少女マンガの映画化はハードルが上がり気味。もう十分作り尽くした感があるからだ。それでも三木孝浩や廣木隆一なら無条件ならで見るけど、好きだけど新城監督は、実はそこまで、とも思う。まぁ、そんなこんなで少し躊躇したけど、えい . . . 本文を読む
森見登美彦の初期作品であり大傑作、青春小説の金字塔が、なんとアニメ映画化された。これを見逃すわけにはいかない。あのハチャメチャな作品がどんな映画になってよみがえるのか。果たしてこの映画を見て広瀬は泣くのか、興味は尽きない。(というか、僕はなぜか、このあほうな原作小説を読んで泣いてしまったのだ! まぁ、そんなこと、他人にはどうでもいいことだろうけど、僕には重大事だった。どこが僕の琴線に触れたのかは、 . . . 本文を読む
思ったよりも軽いタッチの作品に仕上がっていて、それが少しものたりない。8㎏の重さに込められた痛みがあと少し胸に迫ってきてくれたなら、これはかなり面白い作品になったはずなのだ。たった8㎏なのか、それとも8㎏もの減量なのか、それってかなりな問題なのではないか。それは考え方次第で、どちらにでも取れてしまうくらいに微妙な重さなのである。10㎏という大台にはわずかに届かないそんな確かな重さをこの芝居が表現し . . . 本文を読む