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映画・演劇のレビュー

『3月のライオン 前編』

2017-04-02 21:06:35 | 映画
  前後編4時間40分に及ぶ大作だ。今回はまずその前編。膨大な原作をダイジェストしてみせるのではなく、ポイントを絞り込んだ。原作のほんわりしたファンタジー色は払拭して、リアルなドラマとして立ち上げる。ストーリーには変更はないから、お話は原作に忠実だ。しかし、原作以上にハードな映画になっている。   最初から最後まで将棋のシーンを網羅した。全編が戦いのドラマなのだ。将棋をア . . . 本文を読む
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淀川工科高校演劇部2016年卒業公演『蜘蛛女のキス』

2017-04-02 21:05:36 | 演劇
  高校の演劇部の卒業公演をウイングフィールドで2日間3ステージ行う。実に大胆で刺激的な試みだ。しかも扱ったのが、マヌエル・プイグのこの作品である。3年生部員4名が中心になった。役者2名、音響、照明各1名。4人による総力戦だ。後輩たちの力を借りて、ではなく、自分たちだけの力で芝居を立ち上げようとする。   演出、主演の柴田純くんを中心にした4人の努力と、それを脚色、助演で . . . 本文を読む
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劇団金蘭座『ケイがいた 降り注ぐ月光の彼方』

2017-04-02 21:04:49 | 演劇
  昨年復活した金蘭座の第2作は山本篤先生によるオリジナル新作。金蘭会高校演劇部のOGによる劇団という括りはいらない、とは言えないところがこの集団の面白いところだ。他の小劇場劇団とは一線を画する。純粋に金蘭エンゲキを継承するという事実が何よりも大事なのだ。でも、それはただのOG会ではない。みんなで「今でも懐かしい高校時代を回顧しよう」なんていうのではない。自分たちの表現を極めるというの . . . 本文を読む
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畑野智子『罪のあとさき』他

2017-04-02 21:03:47 | その他
  中学2年の時、クラスメートを殺した少年。10数年後、彼と再会した同級生だった女性。彼女はもちろんあの事件の現場に居合わせた。「なぜ彼は殺したのか」は、なかなか明らかにされない。今とあの時が交互に描かれていき、運命の瞬間へとカウントダウンしていく。   「守るべき命だ」というラスト1行まで、緊張感が持続する。何があったかはもちろんのことだが、事件を経た後の、その後のそれ . . . 本文を読む
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村上春樹『騎士団長殺し』

2017-04-02 21:02:57 | その他
  上下2巻1000ページを超える長編であるにもかかわらず、従来の村上春樹作品の大作と較べるとそのスケールはいささか小さい。大作仕様ではなく、どちらかというと小品のスタイルなのだ。そこも作者の意図したところなのだろう。イデアとかメタファーなんていうふざけたネーミングもそうだ。そんなささいな仕掛けを施して、突然理由もなく妻に去られた男の傷心が描かれる。   一人旅に出て心の . . . 本文を読む
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大東市+虚空旅団『河内キリシタン列伝』

2017-04-02 21:00:52 | 演劇
  よくもまぁこんな困難な作品に挑んだものだ。これは大東市の文化事業の一環として企画された作品で、虚空旅団の高橋恵さんが作、演出した今から450年前の戦国時代の河内におけるキリシタン大名たちの物語。   それを6人の女優たちが演じる。彼らの苦難のドラマをモノローグ、ナレーションを駆使した劇として構成していく。歴史に翻弄される彼らのドラマの断片をつなぎ合わせて数10年に及ぶ . . . 本文を読む
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