今回の久野那美の挑戦は、映像による再演とリメイク。映像の前後に10分から15分程度の演劇パートを加えたことで作品自体がどういう形で姿を変えるのか。すでに完成したはずのものが、別の角度からスポットを当て、姿をかえていく。そして新しい作品へと生まれ変わる瞬間に立ち会うこととなる。だからこれは安易で単純な記録映像の上映会ではない。
作品がどういうかたちで進化していくのか、舞台から目が離せない。彼女の代 . . . 本文を読む
今年のベストワンは濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』ではないかと思っていたが、もう1本、彼は凄い映画を撮っていた。それがこの映画だ。年末のこの時期に、ミニシアターで1日2回上映という悪条件でようやく公開された。ベルリン映画祭で銀熊賞を受賞した世界が認めた作品なのに、興行的には難しいからこういう形での公開になる。仕方ないけど、なんだかなぁ、である。
こんなにも地味でささやかな映画だから、誰にも知 . . . 本文を読む