イエジー・スコリモフスキ監督がロバを主人公にして描くファンタジー。どうでもいい話だけど僕は動物の中でロバが一番好きだ。だからこの映画はそれだけで期待大。先日見た傑作『小さき麦の花』でもロバが大活躍していたのが記憶に新しいが、今年の映画界はロバの年なのか(なんてね)。
だがこれはただの甘い映画ではない。ファンタジーなんて書いたけどそれは嘘だ。それどころかこれは残酷でシビアな映画だ。ロバの視点を通じ . . . 本文を読む
なんだかこれはすごいタイトルだ。シンプルだけど、こんなにストレートに示されたら構えてしまうし、映画を見るだけなのになんだか少し覚悟がいるなという気がする。
これはミア・ハンセン=ラブ監督の自伝的作品らしい。介護と子育て、仕事。そして自身の恋愛が描かれる。そして、レア・セドゥがヒロインを演じる。彼女は目の前の現実と向き合う。それはとても困難な状況だが、自然体で向き合おうとする。幼い娘への愛。父の病 . . . 本文を読む
デンマーク映画だ。最近北欧諸国の映画をよく見ている気がする。(ここにはまだ書いていないけど、『トーベ』という映画も見ている)これは高校が舞台の映画なのだが、よくあるような学園ドラマではない。主人公は高校生ではなく、教師たちで、40代になり気づくと仕事へのモチベーションが落ちた4人が、アルコールに依存してやる気を復活させようとするというお話。要するにお酒を飲んで授業に臨むのだ。最初はなかなか調子良く . . . 本文を読む
食を扱う小説は避けましょう、としばらく前に書いたばかりなのに、また、だ。でもこれは仕方ないな。だって谷瑞恵による大好きなシリーズの最新作なのだから。これは特別というわけでもないけど、毎回新作を楽しみにしている。このくらいの淡さがなんだか心地よいと思うのだ。
これは靭公園にある姉妹が営む小さなサンドイッチ屋さんを舞台にした連作である。靭公園なんていうかなり身近な場所が取り上げてある . . . 本文を読む
『空心手帳』の八木詠美の第二作。前作の偽装妊娠という設定のドラマも凄かったが、今回も特異な設定で、でもそれをさりげなく流してくれるのもそっけなく大胆。今回は博物館のビーナスと話をするというバイトを受けた女性の話。毎週休館日の月曜日ビーナス像の前に行く。彼女の話し相手になるだけ。彫像がしゃべるはずがないのに、彼女の前ではしゃべる。しかもその大理石の像が話すのはラテン語で、その相手をするために日常会話 . . . 本文を読む