第35回小説すばる新人賞を取った作品。1941年廈門を舞台にしたふたりの女たちの物語。読んでいてだんだん韓国映画の歴史大作を見てる気分になる。激動の時代を背景にして運命に翻弄されるふたりの女スパイ。日本人の元娼婦と謎の中国人の女。これはエンタメである。ふたりは敵対する関係なのに惹かれ合う。日本人の要人暗殺を巡る諜報機関の暗躍。暗殺はどうなるか。ハラハラドキドキする展開のはずなのに、なんだか少し違う . . . 本文を読む
くじら企画の第1回作品を再演する。これは先行する配信によるリーディング作品を受けての本公演だ。今回、演出のクレジットが初めて後藤小寿枝になった。これまでも実質は彼女が演出を担当してきたのだが、あくまでも大竹野正典演出、あるいは「くじら企画」演出という表記に拘ってきた。どういう心境の変化か。少し気になった。25年の歳月を経ての再演。しかもオリジナルキャストの3人が揃った。30代だった彼らは60代にな . . . 本文を読む