不思議な映画だ。何をしたいのがまるで伝わってこないから、見ていて困惑する。よくある少年の成長物語とはいささか違う趣きがある。これはジェームズ・グレイ監督の自伝的作品らしい。幼い頃の彼が見たこと、感じたことが描かれているのだろう。理不尽なことばかりの少年時代、誰よりも理不尽な自分自身のこと。それが描かれる。だが、その着地点が見えない。
1980年。12歳だった少年の日々。何不自由なく暮らしていた。 . . . 本文を読む
こんな小さな映画がある。低予算のインディーズ映画だが、とてもいい。2008年作品。2021年のケリー・ライカート特集で上映された1本。誰にも知られずひっそりと公開されすぐに埋もれて消えていく、そんな感じの映画なのに、アメリカでも日本でも大絶賛されているようだ。できることなら誰にも知らせず秘密にして置きたい映画だ。自分だけが知っている宝物。また今回もオレゴンである。彼女はアラスカに向かう途中ここで車 . . . 本文を読む