こんな小さな映画がある。低予算のインディーズ映画だが、とてもいい。2008年作品。2021年のケリー・ライカート特集で上映された1本。誰にも知られずひっそりと公開されすぐに埋もれて消えていく、そんな感じの映画なのに、アメリカでも日本でも大絶賛されているようだ。できることなら誰にも知らせず秘密にして置きたい映画だ。自分だけが知っている宝物。
また今回もオレゴンである。彼女はアラスカに向かう途中ここで車がエンコする。さらには愛犬のルーシーがいなくなる。何もない町でお金もなく、彷徨い歩く数日間が描かれる。行く場もなく、居場所もない。知らない町で迷子になって過ごす不安な日々。警備員のおじさんと知り合った。彼はウェンディに優しい。
たった80分の映画は孤独な女の一人旅の数日間をドキュメンタリータッチで見せる。ケリー・ランカートの映画は4本目になるがこれが一番好きな作品になった。