まさかの30億越えの大ヒットである。アニメではない実写映画で、こんな地味な映画にこんなにもたくさんの客が来るなんて夢にも思わなかった。しかも今も確実に動員記録を伸ばしている。僕が見た今日もよく人が入っていたし、大きな劇場で公開中。しかも若い女の子ばかり。僕の前にはなんと小学生の3人組が、子どもだけで来ていた。公開からもうひと月以上になるけど、大ヒットは続く。僕が今日これを見たのは、たまたまじゃない . . . 本文を読む
これは難しい芝居だ。伝えたいことが伝わりにくい。敢えて伝わらないように描いている節すら感じさせる。小川家の父親が川で溺れて死ぬ。大雨の夜、泥酔して川に落ちた。あれから3年。三回忌の法事に集まった子どもたちのお話。それを冒頭の葬儀のシーンから見せるから死んだ父の葬儀かと錯覚するが、そうではない。従姉妹の夫の葬儀のようだ。まだ話が始まったばかりで人間関係もよくわからないし、お話の設定もわからないままい . . . 本文を読む
谷川俊太郎はもう90歳になる。なのに元気で詩作や創作活動に挑んでいるみたいだ。この新刊を読んでいて、なんだか胸が熱くなる。作家だからといって生涯現役で活躍できる、というわけではない。認知症にもならず、頭も体も元気でいてね、と思ってもなかなかそうはいかないだろう。谷川さんは今車椅子生活をされているみたいだ。そんなことがこの本からわかる。
これは谷川俊太郎さんにブレイディみかこさんか . . . 本文を読む
酒井麻衣監督作品。初めて彼女の映画を見たのだが、確信犯的で清々しい。とことん嘘くさいのに、それが嫌味ではない。もちろんこんな高校はないし、主人公のふたりも高2には見えないけど、構わない。きれいごとをきれいに描いて、何が悪いと居直るような映画だ。作り事を丁寧に作り上げたことが成功につながる。嘘が美しい。描写だけでなくお話も含めて。学校の屋上は学園ドラマの定番スポットだが、それを悪びれることなくここま . . . 本文を読む
このバカなタイトルに惹かれて読むことにした。もちろん山本幸久だから安心して読める。
体調を崩して仕事を辞めて実家に戻ってきた30代になる女性、静香が主人公。東京の大手商社でバリバリ働いていた彼女が練り物屋の実家の援助で屋台のおでん屋を始める。そこでの常連たちとのやり取りがお話の中心を担う。パターンだが、さまざまな人たちがここにやって来ていくつものドラマが生まれる。そこで静香が彼らを見守り応援する . . . 本文を読む