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映画・演劇のレビュー

『エクスペンダブルズ2』

2012-10-12 20:30:08 | 映画
 これは心からバカだ。そんなこと最初からわかって見ているのだが、それでも、ここまでバカとは思わなかった。純度100%バカ。バカ祭り。監督がスタローンから『コン・エアー』のサイモン・ウエストにチェンジしたし、もしかしたら、少しは考えて作るのか、なんて一瞬でも考えた僕をあざ笑うがごとき、バカ。バカ映画なのだから、みんなでバカを楽しみましょう、という感じ。潔い。

 ストーリーは前作と同じ。最初に一発ドカーンとかまして、ちょっと休憩して、すぐに本番に突入。大人数の映画は、みんなに見せ場を作らなくてはいけないから、どうしても大味なものになるのは、仕方ない話だ。綺羅星のスター軍団、みんなに気を使うのは疲れることだろう。ボスのスタローンは、今回監督を降りてよかった。今回は前作以上に開き直った。遠慮はない。やりたい放題。みんなも一緒に楽しんでいる。往年のアクションスター軍団が、顔を揃え、みんなでオールスター戦を楽しむ。

 今回は、みんなが見たかったスタローン、シュワルツェネッガー、ブルース・ウイリスの3大スターが、横並びでマシンガンをぶっ放すシーンもちゃんとある。しかも、チャック・ノリスである! 前作では、彼がいないのが、淋しかったが、今回はその不満を晴らすような大活躍をみせる。冗談のような登場シーンには拍手したくなったほどだ。あれはないと思う。でも、そんなバカバカしさこそ、この映画の身上なのだ。B級アクションスターの面目躍如。美味しすぎる。

 ヴァン・ダムは悪役にまわって、最後で、ちゃんとスタローンと一騎打ちを見せる。もちろん肉弾戦だ。これだけは、おねがい、と思うことはすべてやってくれる。

 映画自体のテンポはあまり、よくないし、派手な見せ場も、これだけのキャストを集めたにしては、(というか、そのせいなのだろうが)期待したほどではない。だが、今時こんなアナクロ企画を本気で通したのは、やはり凄い。盛りを過ぎた大スターたちが、夢をもう一度、と、ひたすらにド派手なだけのアクション大作に挑む。やはり、ただのバカである。

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