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映画・演劇のレビュー

『アフターアース』

2013-07-30 23:26:37 | 映画
 今回のN・ナイト・シャマラン監督の新作は、登場人物がほぼひとり。しかも、ウイル・スミスではなく、息子の方だ。それにしてもなんとも地味な映画だ。一応それなりの予算をかけたSF大作のはずだし、これはウィル・スミスとジェイデン・スミス親子が主演する話題作のはずなのだが。

 話は単純で、特別な仕掛けもない。いつもとんでもない仕掛けを用意しなければ気が済まないシャマランなのに、これまた、どういうことなのか。心境の変化?それとも他に何か理由があるのか?  驚異のビジュアルとか、宣伝しているけど、なんかただの未開地漂流探検もの(ジャングルとか、アフリカとかアマゾンとか)って感じ。

 宇宙船が事故に遭い、不時着した恐怖の惑星は地球。人間が出て行ってしまって100年も1000年も経つ)そこでのたったひとりのサバイバル。少年はけがをした父親を残して、生き残るための旅に出る。(もちろん、見捨てるのではなく、ともに生き残るためである)だが、残された時間は少ない。危険はいっぱい。絶体絶命。はたして彼は無事辿り着いて、救命信号を発信できるのか。というか、それだけで、助けてもらえるって、本当か? 簡単すぎないか? というか、それだけなのか? と、いう映画。

 100分というお手頃な上映時間。シンプルな展開。しかも、ご都合主義な展開。つまらないわけではないが、あまりにあっけないし、シャマランがどうしてこんな映画を作ろうと思ったのか。謎だ。娯楽活劇なら、せめてもっと手に汗握る派手な展開があってもいいはずなのに、まるでない。しかも、シャマランらしい訳のわからない捻りすらない。

 ということで、当然あまりヒットしていないようだ。そして、夏休み向けの映画なのに、早々と上映は終了した。合掌。

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