これは2015年の台湾映画。『僕と幽霊が家族になった件』の監督、チェン・ウェイハオのデビュー作。2017年には第二章も作られた。日本では2022年に二作品が同時公開されている。ようやくAmazonで配信がスタートしたので見ることにした。
とても攻めた作品だ。とんがっていて大胆。だからいささか説明不足でわかりにくいけど、作り手は気にもしないで突き進む。まぁつまらない説明をされるよりはいい。だからどんどん話は加速する、というか破綻している。なにがなんだか、という展開。時間が前後したり、夢のシーンが大々的に描かれたり、やりたい放題。
台湾で90年代ブームになった怪奇現象を下敷きにしたホラー映画。その神隠しに遭うと誰かをそこに呼び込まなくてはもとの世界に戻れない。赤い服の少女が何者なのかわからないまま映画は終わる。生まれなかった子どもの祟りとか、わけのわからない虫とか、行方不明になった恋人を捜して救助隊が山の中に入っていくとか、何がなんだがのいきなりの展開にはついていけない。
ラストは無事に結婚して幸せに暮らす光景が描かれるけど、なんだかそれも不気味な感触を残す。二部作だが、ちゃんと単独でも完結しているのはいい。