息吹は今年創立51年を迎える。それって凄すぎないか。そんなにも長きにわたって途切れることなく地道に演劇活動を続けれる。自分たちの信念を曲げないで、無理せず、息の長い活動を繰り広げる。尊敬する。
さて、そんな息吹の50周年記念企画ファイナルとしてこの2本立が上演された。『陽気な地獄破り』は息吹が旗揚げの頃から何度も取り上げたという木下順二作品。もう1本はなんと公演回数は1000回を超えようという息吹創設者のひとりである故かたおかしろう作品『天満のとらやん』。これぞ劇団息吹!と声がかかりそうなラインナップらしい。初日の劇場は超満員だった。観客の平均年齢も劇団員のそれと同様かなり高く、普段の観劇体験とは幾分雰囲気が違う。
だが『陽気な地獄破り』はテンポが悪く、見ていて少し退屈する。演出にもメリハリがなく単調。芝居自体はまるで学芸会のノリで、それは悪くはないのだが、学芸会にしてはちょっと長い。単純な話を上手く見せるためには観客を乗せるリズムが必要だ。4人組のコンビネーションは悪くはない。彼らが調子よく立ち回るというお話の展開もパターンだが問題ない。必要なのは、緩急つけたスピード感であろう。あまりに単純で素朴すぎた。
それに対して十八番である『天満のとらやん』はたった25分という上演時間もあるが、実にテンポがよく、楽しい。とらやんを演じた甲斐天平のノーテンキな顔。あの馬面がいい。そんな彼が、流されるままどこにでも行き、そこに順応してしまう。おかんのうなぎを追いかけてとらやんが旅するのだ。軽快な語りと音楽に乗せられて一気に最後までひとっ飛び。『陽気な地獄破り』にもこのテンポが欲しかった。
さて、そんな息吹の50周年記念企画ファイナルとしてこの2本立が上演された。『陽気な地獄破り』は息吹が旗揚げの頃から何度も取り上げたという木下順二作品。もう1本はなんと公演回数は1000回を超えようという息吹創設者のひとりである故かたおかしろう作品『天満のとらやん』。これぞ劇団息吹!と声がかかりそうなラインナップらしい。初日の劇場は超満員だった。観客の平均年齢も劇団員のそれと同様かなり高く、普段の観劇体験とは幾分雰囲気が違う。
だが『陽気な地獄破り』はテンポが悪く、見ていて少し退屈する。演出にもメリハリがなく単調。芝居自体はまるで学芸会のノリで、それは悪くはないのだが、学芸会にしてはちょっと長い。単純な話を上手く見せるためには観客を乗せるリズムが必要だ。4人組のコンビネーションは悪くはない。彼らが調子よく立ち回るというお話の展開もパターンだが問題ない。必要なのは、緩急つけたスピード感であろう。あまりに単純で素朴すぎた。
それに対して十八番である『天満のとらやん』はたった25分という上演時間もあるが、実にテンポがよく、楽しい。とらやんを演じた甲斐天平のノーテンキな顔。あの馬面がいい。そんな彼が、流されるままどこにでも行き、そこに順応してしまう。おかんのうなぎを追いかけてとらやんが旅するのだ。軽快な語りと音楽に乗せられて一気に最後までひとっ飛び。『陽気な地獄破り』にもこのテンポが欲しかった。