よくぞここまでやってくれた! 久々に香港映画の底力を見せ付けてくれるような大作である。もちろん、ストーリーは単純。だが、やることの過激さは限界を超えている。ここまでやるか、の精神はジャッキー・チェンの数々の神話を引き継ぐものだ。
監督のベニー・チャンはジャッキーとコンビを組み今までも限界に挑戦してきた。『香港国際警察/NEW POLICE STORY』『プロジェクトBB』という近作でも、そうだったが、今回のスタントにはど肝を抜かれた。最初の現金輸送車襲撃の場面の迫力たるや。あの犯人グループの非情さ、凄まじい強さ、桁外れだ。派手な爆破シーンをこんなにもクールに見せるのにも驚く。彼らが強ければ強いほど映画は面白くなる。彼らに立ち向う三人の主人公たちもよく色分けがなされている。ニコラス・ツエー、ショーン・ユー、そして、ジャッキー・チェンの息子であるジェーイシー・チェン。それぞれの背景を描く導入部もいい。
正直言ってストーリーなんか、どうでもいいのだ。どれだけやれるか、どこまでやるか。もう、それしかない。2時間9分。どこまでも際限なくエスカレートする。ただし、後半さすがに息切れしてくる。特に終盤、あんなに強くて、非情で、情け容赦なかった犯人たちがちょっとやさしくなって弱くなるなんて、なんだか納得しない。ストーリーに文句を言いたいのではない。
こいつら、どんだけ強いんだ、とあきれるくらいの凄さで映画をぐいぐい引っ張っていた。彼らが実は主役ではないかと思わせるくらいに魅力的なのだ。とてもニコラスたちでは勝ち目がない。それでもやられてもやられても立ち向っていくところは凄い。ジェイシーなんて、おまえでは無理だろ、と思わせるのに、それでも戦っていく。そんな彼の純粋さが眩しい。ただ正義のためだけに突き進むのだ。ほとんどバカだがその純粋さは気持ちいい。
爆破シーンとか、SFXを駆使したアクションもよく出来ているが、この作品の魅力は生身の体がぶつかりあい肉がきしみ、骨がくだけるような文字通りの肉弾戦にある。見ていてやつらの痛みが伝わってきてこちらまで顔を歪ませてしまう。オーソドックスな本物のアクションである。
だが、これだけのアクションを見せながら、ストーリーにもう少し仕掛けがあればいいのに、残念ながら、それがない。お話のほうも昔ながらの香港映画でしかないのだ。単純すぎてちょっと退屈。先にも書いたが、後半の腰砕けはいただけない。映画に奥行きがないから、ネタバレしたところからは、ひたすらアクションシーンのみを追いかける映画になる。でも、それでも、面白いのは先に書いたとおり。
たった4人で、香港警察に乗り込んで行き、自分たちが盗んだ大金を取り戻そうとするなんていう荒唐無稽が説得力を持つ。それはこいつらがあまりに強いからだ。なのに、このラストシークエンスが最高のクライマックスにはならない。それって惜しすぎる。凄いと残念が入り乱れる。なんだか複雑な映画なのだ。
監督のベニー・チャンはジャッキーとコンビを組み今までも限界に挑戦してきた。『香港国際警察/NEW POLICE STORY』『プロジェクトBB』という近作でも、そうだったが、今回のスタントにはど肝を抜かれた。最初の現金輸送車襲撃の場面の迫力たるや。あの犯人グループの非情さ、凄まじい強さ、桁外れだ。派手な爆破シーンをこんなにもクールに見せるのにも驚く。彼らが強ければ強いほど映画は面白くなる。彼らに立ち向う三人の主人公たちもよく色分けがなされている。ニコラス・ツエー、ショーン・ユー、そして、ジャッキー・チェンの息子であるジェーイシー・チェン。それぞれの背景を描く導入部もいい。
正直言ってストーリーなんか、どうでもいいのだ。どれだけやれるか、どこまでやるか。もう、それしかない。2時間9分。どこまでも際限なくエスカレートする。ただし、後半さすがに息切れしてくる。特に終盤、あんなに強くて、非情で、情け容赦なかった犯人たちがちょっとやさしくなって弱くなるなんて、なんだか納得しない。ストーリーに文句を言いたいのではない。
こいつら、どんだけ強いんだ、とあきれるくらいの凄さで映画をぐいぐい引っ張っていた。彼らが実は主役ではないかと思わせるくらいに魅力的なのだ。とてもニコラスたちでは勝ち目がない。それでもやられてもやられても立ち向っていくところは凄い。ジェイシーなんて、おまえでは無理だろ、と思わせるのに、それでも戦っていく。そんな彼の純粋さが眩しい。ただ正義のためだけに突き進むのだ。ほとんどバカだがその純粋さは気持ちいい。
爆破シーンとか、SFXを駆使したアクションもよく出来ているが、この作品の魅力は生身の体がぶつかりあい肉がきしみ、骨がくだけるような文字通りの肉弾戦にある。見ていてやつらの痛みが伝わってきてこちらまで顔を歪ませてしまう。オーソドックスな本物のアクションである。
だが、これだけのアクションを見せながら、ストーリーにもう少し仕掛けがあればいいのに、残念ながら、それがない。お話のほうも昔ながらの香港映画でしかないのだ。単純すぎてちょっと退屈。先にも書いたが、後半の腰砕けはいただけない。映画に奥行きがないから、ネタバレしたところからは、ひたすらアクションシーンのみを追いかける映画になる。でも、それでも、面白いのは先に書いたとおり。
たった4人で、香港警察に乗り込んで行き、自分たちが盗んだ大金を取り戻そうとするなんていう荒唐無稽が説得力を持つ。それはこいつらがあまりに強いからだ。なのに、このラストシークエンスが最高のクライマックスにはならない。それって惜しすぎる。凄いと残念が入り乱れる。なんだか複雑な映画なのだ。