さぁ、続いて第3弾、いってみよう! 冒頭からもうやり尽くしたから、どうとでもなれ、みたいなノリで、飛ばす、飛ばす。恐るべし園子温。もう、恐れを知らぬ化け物。まぁ、今に始まったことではない。『うつしみ』とか、昔からそんな映画ばかりだったけど。でも、今回は自主映画ではなくちゃんとした商業映画のはずなのだ。これなんかなんと天下の松竹映画ですよ。ありえません。
女子高生たちが胴体から切断されて血がぶちゅーと吹き出て、トリンドル玲奈が、ぎゃあ、と叫んで、走り出す。修学旅行のバスの中ですよ。バスごと胴体が半分に斬られてしまうのだ。バスの上半分が、である。実際に映像で見なくては想像もつかないでしょ。書いていても伝わらないと思う。むちゃくちゃなのだ。それが始まって5分ちょい、のところ。
登場するのはみんな女だけ、という意味がわからないこだわり映画。そのくせ、終盤になると飽きてきてそういうルールはなかったことにするし。いやぁ、はだか祭りの斎藤工とか、ありえないわ。
3話からなる、オムニバスだと、思っていたのに、そうじゃなかった。主人公は3人の女性(トリンドル玲奈、 篠田麻里子、真野恵里菜)にリレーされるけど、そこにはちゃんと仕掛けがあって、3人は同一人物。もう、なんでもあり。どこまででも、やってくれ、である。
原作から、設定の一部だけを流用しての完全オリジナル作品。こいう企画が通るのも、園子温。もうそればっか。85分という劇場用商業映画としては破格の短さ。こんなのでもいいのか、と思わないでもないけど、ちゃんと劇場で全国一斉公開されているのだ。これでいいのだ。
でも、もうなんだか、いろんな意味で、なんでもありの世界になっていて、歯止めなんかないのが、少し怖い。感覚が麻痺している気がする。こんなんでいいのか?