宇佐美まことのミステリー作品。あまりミステリーは読まないけど宇佐美作品だから読む。だけど今回はまるで話に乗れない。こんなはずじゃない、と思いつつ読み進めるけど。
赤羽で起きた殺人事件。主人公は若い女刑事。彼女が捜査に就いた。犯人捜査はいつまで経っても進まない。お話は進展しない。
大学生のマンドリンクラブの合宿。そこで起きた事故。ひとりの女学生が自殺する。事故かもしれない。殺人も含めて捜査される。30年前の出来事。あの時の仲間3人で再会。30年振りに事故があったあの場所に行く。
このふたつの話が交互に描かれる。やがてこのふたつが交錯することはわかる。だけどなかなか重ならない。350ページの250ページを越えても交わらないのだ。
謎解きも含めてあまり感心しない。わざわざこれを読む意味が感じられないまま読み終えた。犯人である男の30年間胸に秘めた想いが何なのかも語られないまま終わる。犯人である彼が最後まで登場しないという構成も納得いかない。宇佐美作品を読んで初めてガッカリした。どうしてこんなことになったのだろうか。不思議。