習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

宇佐美まこと『その時鐘は鳴り響く』

2025-01-04 06:55:00 | その他
宇佐美まことのミステリー作品。あまりミステリーは読まないけど宇佐美作品だから読む。だけど今回はまるで話に乗れない。こんなはずじゃない、と思いつつ読み進めるけど。

赤羽で起きた殺人事件。主人公は若い女刑事。彼女が捜査に就いた。犯人捜査はいつまで経っても進まない。お話は進展しない。

大学生のマンドリンクラブの合宿。そこで起きた事故。ひとりの女学生が自殺する。事故かもしれない。殺人も含めて捜査される。30年前の出来事。あの時の仲間3人で再会。30年振りに事故があったあの場所に行く。

このふたつの話が交互に描かれる。やがてこのふたつが交錯することはわかる。だけどなかなか重ならない。350ページの250ページを越えても交わらないのだ。

謎解きも含めてあまり感心しない。わざわざこれを読む意味が感じられないまま読み終えた。犯人である男の30年間胸に秘めた想いが何なのかも語られないまま終わる。犯人である彼が最後まで登場しないという構成も納得いかない。宇佐美作品を読んで初めてガッカリした。どうしてこんなことになったのだろうか。不思議。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『デデデデ』③〜⑤ | トップ | 『夏のレモングラス』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。