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今度は40歳の男性の死から始まる物語だ。毎回書いているが、たまたまそうなっている。まるで意図したようにつながる。これで40歳シリーズ第3弾。今回は死んだ未知生さんの葬儀に出た彼の周囲にいた7人による7つのお話。(だと思っていたが、途中からは葬儀に出なかった人とかも出てくる。とりあえずは生きていた彼と関わった人たち)
彼らは彼の死を通して自分の人生を振り返ることになる。協調性がない、自分本位の男。たぶんわがままで自分勝手だけど、悪いやつではない。それどころかいい人。こんな人はたぶんいない。いたらいいけど、でもかなり迷惑かも。
これはあくまでも彼の話ではない。彼と関わった人たちの話だ。彼に影響されて、なんとなく彼とともに同じ時間を過ごして、感じたこと思ったことが描かれていく短編連作。最初は昔の友人。高校時代までの付き合いだ。恋人だった人。妻になった人。最後は5歳だった13年後の息子。後半は家族の話になるけど、反対に未知生さんとの距離が広がる。妻や息子をないがしろにしていたというわけではない。それどころか大事にしていたはず。ほかの人たちと同じように。誰にでも平等に、というのではない。ある意味誰に対しても無関心。自分本位。だけど、みんなに優しい。それが未知生さん。