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映画・演劇のレビュー

『オール・ユー・ニード・イズ・キル』

2014-07-27 21:09:31 | 映画
トム・クルーズ最新作は日本の小説(ライトノベル)が原作で、監督は『ボーン・アイデンティティ』のダグ・ライマン。エンタメとしては過不足のない作品に仕上がっている。しかし、途中から少し退屈する。あまりに単調な繰り返しが、映画のリズムを作るのだが、その流れに乗りきれなくなるからだ。

主人公は何度も繰り返し死ぬ。死ぬとリセットしてまたもとの1日前に戻る。記憶は残したままで、同じ1日をまた繰り返す。『江の島プリズム』と同じパターンなのだが、それを100回も1000回も、となるとさすがに飽きるし、何が何だか分からなくなる。しかも、テンポ早い。(もちろん遅かったらますます飽きるからなのだが)どんどん進化していくのだが、なかなか先は長い。この戦争を終わらせるために、何が出来るのか。というか、それまでに何回同じ場面を見せられるのか。ふう。

 いきなり戦場にたたき落とされる冒頭は凄い。『プライベートライアン』や『スターシップトゥルーパーズ』を想起させる。臨場感溢れる描写は迫力あるし、ドキドキする。最初の3回くらいまでは、そんな緊張が持続する。だが、そこからは、まどろっこしい。お話が単調すぎるからだ。しかも、驚きはない。もっと仕掛けが欲しい。最初は一体何が起きているのかと、期待させるし、先が見えない不安があって、面白いのだが、大事なその先があまりに尻すぼみで、がっかりした。これなら、『オブリビオン』のほうがずっとおもしろかった。いつも作品選択が見事で、「トムさま」の出る映画に「はずれなし!」と僕が勝手に信じていたのだが、今回は少しがっかりな仕上がりとなった。


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