公開されたときぜひ見たいと思ったのに、例によって苛酷な上映環境ゆえ、劇場には行けなかった。モーニングショーだけ、とかそういうのはやめて欲しい。まぁ、お客が入ってなんぼ、なので公開されるだけましか、とも思うが。それにしても、である。ようやくDVDになったので、レンタルしてきた。
内モンゴルの風景が美しい。劇場で見たならそれだけでも感動しただろう。トゥヤーという女性の生活が綴られていく。半身不随になった夫と子供たちの世話をしながら,黙々と働き続ける。実にけなげでたくましい。だが、生活は大変で仕方なく、夫と離婚して、離婚したその夫も含めて面倒を見てくれる新しい夫を求める。たいがいな話である。そんな奇特な人がいるわけない、と思うが、いやいや、いるのです。しかもたくさん。美しいトゥヤーだからなのか、よくわからないが続々求婚者がやって来る。そんななか、隣の甲高い声の男(浪費家の妻あり)が、実はトゥヤーのことが大好きで、妻に逃げられた後、恐る恐る自分の気持ちを彼女に告げる。
実のところ、話自体はどうってことない。それを淡々としたタッチで見せる。そのあまりのそっけなさに、少しうろたえるくらいだ。ドキュメンタリーのような距離感を保ち、彼女の日々を見せていく。もちろん映画はつまらないわけではない。だが、なんとなく乗り切れない。期待しすぎたからなのか、なんだか作品世界に入り込めないまま、終わってしまった。
描かれていることのひとつひとつは興味深いし、つまらないわけではない。だが、心に響いてこない。彼女にも、別れるダンナにも共感できない。ましてや彼女に惚れる向かいの男にも、である。へんに感動を強要するような映画は困りものだが、このそっけなさはなんだか、である。
ラストで隣家の男と再婚するが、トゥヤーは泣いている。(このシーンから始まり再びこのシーンの戻ってくる)決して悲しいとか、嫌だとか、いうわけでのない。だが、この結婚は彼女を幸せにはしない。ならば、どうしてそんな男と結婚するのか。生活のためだけではない。幼なじみの石油王の禿げ男(彼女が大好き)にも心が揺れたが、あれは打算の方が大きかった。庭の井戸掘りに執着したこの隣家の男の純情にほだされたのか。それも、なんか違う。
よくわからない。そこがこの映画の魅力だなんて言うつもりはない。ただ、よくわからないまま、彼女たちはここで生きていくのだろう。それはわかる。わかる映画がいい映画だ、とは思わない。このへんな感触をどう捉えるか、それがこの映画の好悪の分かれ道となるだろう。ベルリンで絶賛されたらしい。(なんとグランプリを受賞した)確かに、いい映画だとは思う。だが、なんかピンとこない。
沢木耕太郎さんも川本三郎さんも褒めてるのになんだか嫌だなぁ。どうして僕はこの映画に乗れなかったのだろうか。
内モンゴルの風景が美しい。劇場で見たならそれだけでも感動しただろう。トゥヤーという女性の生活が綴られていく。半身不随になった夫と子供たちの世話をしながら,黙々と働き続ける。実にけなげでたくましい。だが、生活は大変で仕方なく、夫と離婚して、離婚したその夫も含めて面倒を見てくれる新しい夫を求める。たいがいな話である。そんな奇特な人がいるわけない、と思うが、いやいや、いるのです。しかもたくさん。美しいトゥヤーだからなのか、よくわからないが続々求婚者がやって来る。そんななか、隣の甲高い声の男(浪費家の妻あり)が、実はトゥヤーのことが大好きで、妻に逃げられた後、恐る恐る自分の気持ちを彼女に告げる。
実のところ、話自体はどうってことない。それを淡々としたタッチで見せる。そのあまりのそっけなさに、少しうろたえるくらいだ。ドキュメンタリーのような距離感を保ち、彼女の日々を見せていく。もちろん映画はつまらないわけではない。だが、なんとなく乗り切れない。期待しすぎたからなのか、なんだか作品世界に入り込めないまま、終わってしまった。
描かれていることのひとつひとつは興味深いし、つまらないわけではない。だが、心に響いてこない。彼女にも、別れるダンナにも共感できない。ましてや彼女に惚れる向かいの男にも、である。へんに感動を強要するような映画は困りものだが、このそっけなさはなんだか、である。
ラストで隣家の男と再婚するが、トゥヤーは泣いている。(このシーンから始まり再びこのシーンの戻ってくる)決して悲しいとか、嫌だとか、いうわけでのない。だが、この結婚は彼女を幸せにはしない。ならば、どうしてそんな男と結婚するのか。生活のためだけではない。幼なじみの石油王の禿げ男(彼女が大好き)にも心が揺れたが、あれは打算の方が大きかった。庭の井戸掘りに執着したこの隣家の男の純情にほだされたのか。それも、なんか違う。
よくわからない。そこがこの映画の魅力だなんて言うつもりはない。ただ、よくわからないまま、彼女たちはここで生きていくのだろう。それはわかる。わかる映画がいい映画だ、とは思わない。このへんな感触をどう捉えるか、それがこの映画の好悪の分かれ道となるだろう。ベルリンで絶賛されたらしい。(なんとグランプリを受賞した)確かに、いい映画だとは思う。だが、なんかピンとこない。
沢木耕太郎さんも川本三郎さんも褒めてるのになんだか嫌だなぁ。どうして僕はこの映画に乗れなかったのだろうか。