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映画・演劇のレビュー

『レッドクリフ PartⅡ』

2009-03-27 22:40:06 | 映画
 ついに、この歴史に残る超大作が完結。一足早く目撃してきた! だが、予想通り思ったほど面白くはなかった。 PartⅠを見た時の興奮はこれから何か凄いことが起こるという興奮で、ワクワクさせられるのはまだ何も起きていないことゆえだ。とすると、赤壁の戦いを描く本作は、期待が大きすぎて応えきれない、ということは見る前から明らかだろう。

 もちろん壮大なスケールの映画である。だが、それだけ。悪いけど、それだけなのだ。それだけでも充分ではないか、という人も確かにいるだろう。それだけでも凄いことだ。すごい映画だ、これは。だが、映像のすごさはもうそれだけではだめな時代になってる。ハリウッドやCGがこういうタイプの映画をつまらなくした。不幸な時代だなぁ、と思う。

 ジョン・ウーがその持てるすべての力を賭けて、作り上げたこの大作は確かにすごい映画だ。だが、そのすごさと比較して語られるお話はなんだかちゃちだ。変な人情ものみたいで、閉口させられる。ヴィッキー・チャオのデブ助クンと蹴鞠の達人の男の子の友情物語は泣かせるが、でもこの壮大なスケールの話にこういうエピソードを強引に挿入するってなんだかなぁ、と思う。トニー嫁が体を張って夫たちの作戦をなんとかしようとするシーンなんか、バカバカしい。こういう講談本の世界って乗れないと、なんか醒めるばかりで悲しい。圧倒的な力の差をいかに乗り越えて勝利を摑むか、という王道を見せてるはずなのに、なんかハラハラしない。

 スケールの大きな迫力映像も続くと単調になる。金城武も今回は精彩を欠く。なぜこんなことになったのかは、明白だ。要するに僕たちはもう既に『レッドクリフ』を見ているからだ。同じ映画はいらない。本作は別々の映画ではない。1本の映画を2本に分けただけの話なのだ。とすると、ここに新鮮な驚きを期待するほうがおかしいということになる。

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