こういうギャング映画が2013年に公開されるのはなぜだろうか。最近のアメコミヒーローもの映画全盛時代に抵抗するように古き良き時代のアクション映画が膨大な制作費をかけて作られる。アメリカではそこそこヒットしたかもしれないが、日本ではまるでヒットしない。今時こういうアナクロ映画に人はこない。だが、映画自体はとてもおもしろいし、とても贅沢な作品だ。なんだか簡単に消えてしまうのが惜しい。大体これだけの制作費と手間をかけて丁寧に作られた映画なのである。
ストーリーは昔ながらの定番だ。『七人の侍』を彷彿させる。前半の仲間集めのシーンなんてまさにそのままだ。LAを牛耳るギャングを粉砕するために集まられたそんな男たちが、命を犠牲にしても正義のために戦う。1949年LA。実在したギャングとの抗争が手に汗握る戦いとして描かれる。ほぼ実話の映画化。すごいやつらがいたものだ。でも、今、この映画が作られる意味ってどこにあるのだろうか。警察の腐敗を暴くとかいう感じで、70年代にはこんな感じの映画はたくさんあった。『セルピコ』なんかその典型だろう。だが、今はもうない。そんな時代ではないからだ。確かに刑事ものでこういうのは、枚挙にいとまがない。だが、今の時代に、60年前を再現してまで作られる意義はない。これが描きたかったのは、腐敗の告発ではないことは明確だ。では、ノスタルジアか、というとそんなはずもない。では、何がこの映画を支えるのか。よくわからない。
これは今の映画ではない。確かにこういうタイプのギャング映画はいつの時代でも存在するし、アメリカではそれなりの観客の支持を受けるのだろう。だが、『アンタッチャブル』の時代からも、既にかなりの歳月が流れ、今では西部劇同様死滅したジャンルであるこの手の作品に息を吹き込むにはもう少しなんらかの仕掛けが欲しい。ただのウェルメイドでは大勢の観客の支持は得られないのではないか。この日本版タイトルなんて、もう完全に投げているとしかいいようがない。『LAコンフィデンシャル』の時代からでも、もうすごい歳月が過ぎている。
見ている間、楽しかった。手に汗握る。話自身は定番だが、とてもテンポよく流れるから気にならない。ユーモアと、少しの残酷。従来のこの手の映画とは少し異質だが、そんなところも悪くはない。それだけに、それだけなのがなんだか残念でもある。
ストーリーは昔ながらの定番だ。『七人の侍』を彷彿させる。前半の仲間集めのシーンなんてまさにそのままだ。LAを牛耳るギャングを粉砕するために集まられたそんな男たちが、命を犠牲にしても正義のために戦う。1949年LA。実在したギャングとの抗争が手に汗握る戦いとして描かれる。ほぼ実話の映画化。すごいやつらがいたものだ。でも、今、この映画が作られる意味ってどこにあるのだろうか。警察の腐敗を暴くとかいう感じで、70年代にはこんな感じの映画はたくさんあった。『セルピコ』なんかその典型だろう。だが、今はもうない。そんな時代ではないからだ。確かに刑事ものでこういうのは、枚挙にいとまがない。だが、今の時代に、60年前を再現してまで作られる意義はない。これが描きたかったのは、腐敗の告発ではないことは明確だ。では、ノスタルジアか、というとそんなはずもない。では、何がこの映画を支えるのか。よくわからない。
これは今の映画ではない。確かにこういうタイプのギャング映画はいつの時代でも存在するし、アメリカではそれなりの観客の支持を受けるのだろう。だが、『アンタッチャブル』の時代からも、既にかなりの歳月が流れ、今では西部劇同様死滅したジャンルであるこの手の作品に息を吹き込むにはもう少しなんらかの仕掛けが欲しい。ただのウェルメイドでは大勢の観客の支持は得られないのではないか。この日本版タイトルなんて、もう完全に投げているとしかいいようがない。『LAコンフィデンシャル』の時代からでも、もうすごい歳月が過ぎている。
見ている間、楽しかった。手に汗握る。話自身は定番だが、とてもテンポよく流れるから気にならない。ユーモアと、少しの残酷。従来のこの手の映画とは少し異質だが、そんなところも悪くはない。それだけに、それだけなのがなんだか残念でもある。