2巻の終盤で、主人公の兄が大怪我をするシーンがある。でたか!と思った。黄金のパターン展開だ。こういう事件を入れなくてはストーリーを作れないのか、とがっかりしたが、3巻に入ってから、持ち直しフィニッシュに至ると、もう一度最初の輝きを取り戻してくる。特に県大会、高校生活最後の試合のところからは予想通りの展開なのに胸が熱くなる。
100M準決勝。「なぜか、その時、いけると思った。抜こうとは思わなかった。行こうと思った。身体が勝手に進んでいく感じがする。(中略)でも、まだ行ける。まだ、力がある。ラストの踏ん張りだ。俺の方が強い。まだ行ける。並んだ!抜いた!うわぁゴールだ。」(3巻161頁)
100M決勝。直前。「スポーツは結果がすべてじゃない。でも、結果が出た時は本当にすごい。目の前で見た、この鳥沢の勝利は圧倒的な力を俺の中に生んだ。喜びというより、勇気というより、何かこう身体中に湧き上がってくる力そのものだ。」(167頁)
作者の熱い想いが神谷の心の声として伝わってくる。この小説のハイライトである。この後の南関東大会400リレー決勝の感動は自分で味わって欲しい。
この単純な小説は多くを語らない。だけど、高校3年間という無限の可能性を持つ時間の中で、生き生きと生きるためには何が必要なのかを、しっかり教えてくれる。
100M準決勝。「なぜか、その時、いけると思った。抜こうとは思わなかった。行こうと思った。身体が勝手に進んでいく感じがする。(中略)でも、まだ行ける。まだ、力がある。ラストの踏ん張りだ。俺の方が強い。まだ行ける。並んだ!抜いた!うわぁゴールだ。」(3巻161頁)
100M決勝。直前。「スポーツは結果がすべてじゃない。でも、結果が出た時は本当にすごい。目の前で見た、この鳥沢の勝利は圧倒的な力を俺の中に生んだ。喜びというより、勇気というより、何かこう身体中に湧き上がってくる力そのものだ。」(167頁)
作者の熱い想いが神谷の心の声として伝わってくる。この小説のハイライトである。この後の南関東大会400リレー決勝の感動は自分で味わって欲しい。
この単純な小説は多くを語らない。だけど、高校3年間という無限の可能性を持つ時間の中で、生き生きと生きるためには何が必要なのかを、しっかり教えてくれる。