習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ノウイング』

2009-07-13 22:57:24 | 映画
 『アイ、ロボット』のアレックス・プロヤス監督最新作である。そりゃぁ、期待する。いくらニコラス・ケイジ主演だからといって、ただのアクション・パニックものにはしないだろう、と思った。予告編はなかなかおもしろい。だが、あのパターンはもう見飽きた。だいたいシャマランの『ハプニング』という先行作品がある。彼のパターンにはなるまい、とは思ったが。

 いやぁ、驚きましたね。ネタばれになるが、言ってしまう。これは『未知との遭遇』のリメイクでした! あきれて開いた口がふさがらない。今時あんなノーテンキな終わらせ方で済ますなんて、ありえない。スピルバーグが30年前にした時ですら、一部では顰蹙をかったほどなのに。今時あれで済ますなんて冗談にもならない。宇宙船がやってきて、あの宇宙人が登場する。ばかばかしいにもほどがある。

 こういう黙示録ものって、大風呂敷を広げて結局収拾をつけれない、というのがパターンなのだが、仮にも『アイ、ロボット』を作ったアレックス・プロヤスなのである。見終えた今でも信じられない。

 最初の飛行機が墜落するシーンは迫力があった。でもあれはもう予告編で10回以上見てる。今更、である。そして、地下鉄での大事故。あれも凄い。だが、いつも言うことだが、CGはもういいよ、である。リアルからは程遠い。あの2シーンは映画を彩るアクセントでしかない。そこからどう話をつなげるのか、そこが監督の腕の見せ所のはずだった。

 馬鹿にするのもほどほどにね。期待ばかり持たせて何もないというのはシャマランひとりで十分である。ニコラスものとしてはまるで『NEXT-ネクスト-』の続編か、というような話。でも、未来が見えると言っても、あれは3分先しか見えなかったっけ?それにしても、ここまで安っぽい映画になるとは思いもよらなかった。人類の終末も見せてくれるが、どうでもよろしい。それにしても誰が悪いのか。どうしてこんな悲惨なことになったんだろうか。責任者出て来い!

 劇場はがらがらだった。日本のお客さんはよく知ってる。もう、彼らはこういう映画にはさすがにだまされません。偉い。(アメリカでは大ヒット中!)とはいえ、まぁ、僕はちゃんとこういうバカ映画は見るけど。

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