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長編デビュー作『リバー・オブ・グラス』で高く評価されたというケリー・ライカート監督が、ジョナサン・レイモンドの短編小説を基に撮りあげた長編第2作。こういうまるで知らない人の映画を見るのもたまにはいい。これは2006年作品。73分。配信が始まったばかりみたいだ。
登場人物はほぼ2人だけ。旧友から電話があり、1泊でキャンプに行く。それだけの話。妻にはもうすぐ赤ちゃんが産まれる。なのに彼は「たった一泊だし、いいよね」と家を空けて出ていく。車で誰もいない穴場の温泉を目指す。
こんな地味なインディーズ映画がもちろんアメリカにもある。なかなか公開されないだけで。Amazonで配信されていた。日本でも東京では2020年に特集上映で劇場公開もされているようだ。地味で何も起きない映画。
車中からの寂れた風景が延々と続く。やがて、町を離れて山中の光景に。道に迷ったみたいだ。行ったり来たりを繰り返す。やがて日が暮れる。仕方ないから、テントを張る。翌日、なんとか温泉を探して、楽しむ。妻の待つ家に帰る。ひとりになった友人は夜の町を彷徨う。
途中、ふたりの危うい関係が一瞬描かれるが、もちろん何も起きない。さまざまな含みはあるから,深読みも可能だ。しかし、僕はしない。さりげなく流していいと思う。たわいない映画だが気概は伝わる。